こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
先日、所属する総務委員会で、市内の担当する懸案事項についての視察を行いました。
そのほかにも音楽文化センターなど、視察内容をTwitterで随時更新してありますので、私のアカウントをまたご覧頂ければ幸いです。このときに、まつもと空港にも行って現在の国際化・活性化の取り組みについても伺ってきましたので、そちらについて書いていきたいと思います。
1,信州まつもと空港の特徴
まつもと空港は、
「日本で一番空に近い空港」というフレーズを使っています。
標高は657.5m。
ただ、その特徴によって、他の空港に比べて空気が薄いことになり、
滑走路は2,000mありますが、実際には1,800m程度の実力といわれています。そのため、滑走路の長さが必要なジャンボ旅客機の着陸が難しく、現在就航しているリージョナルジェットが適した空港となっています。
開港は昭和40年。当社は松本大阪間を観光臨時便として運行していましたが、順次延長され、昭和57年には通年運行、昭和60年4月からは通年複便運行となりました。平成6年7月に滑走路を2,000mに延長し、小型ジェットが就航できる空港として新たに開港。同時に、従来の大阪便に加えて札幌・福岡便が開設されました。現在では、大阪便は夏季限定となってしまいましたが、平成19年4月に開港以来利用客が延べ300万人に達しています。
まつもと空港では、空港に親しんでもらうために、空港見学会も実施しています。原則毎月第4日曜日に開催していて、年6回の開催で、毎回150人程度が来場しています。
現在は福岡便と札幌(新千歳)便が定期就航していて、それぞれ90分で到着します。
2,空港の利用状況
まつもと空港は、平成6年のジェット化以降、景気動向の悪化などの要因で、年々利用率が減少し、
平成21年、年間57,576人という最低の搭乗者数を記録しました。
その翌年から今のFDAさんによる運航となり、年々その利用者数を増やしています。昨年平成30年には、チャーター便あわせて
年間137,776人の利用がありました。
年度別の定期便の利用状況推移と、月別の利用状況は次の画像の通りです。
これをみると、
冬期の利用促進が課題となっていることがわかります。
こういった背景も踏まえて、空港を管理する県では、
「空港の発展・国際化に向けた取組方針」を策定し、推進室を設置することで、対策に本腰を入れるようになりました。
まだご覧頂いていない方は、概要版だけでも、ぜひ一度目を通してみてください。発展・国際化のための具体的な目標値とそのスケジュールが設定されています。
信州まつもと空港の発展・国際化に向けた取組方針について
https://www.pref.nagano.lg.jp/airport/houshin.html
3,活性化・国際化の目標値と、その達成状況
この取組方針によると、この3月までの3年間は
「テイクオフ期間」とされています。それぞれの目標の達成度は次の通りです。
<国内路線>
・札幌線の夏期増便 →
札幌丘珠線の夏期就航
・大阪(伊丹)線の期間延長 →
未達成
<国際路線>
・チャーター便の多便化、定期便誘致 → 平成30年度はチャーター便35便で過去最多
・関西空港などからのインバウンドの取り込み強化
<機能拡充>
・RNP-AR進入方式の導入 (ナビゲーションで遅延・欠航を改善するシステム) →
導入に向けて着手
・駐車場の増設 → 昨年着手で
12月に完成予定
・エプロン、国際線ターミナルビルの整備に向けた検討、調査の着手 →
調査費の予算が今年度計上
この中で、
目標年度中にまだ大阪便の期間延長が達成できていないため、一層の取り組みが求められています。
そして、令和元年度からの3年間は、
「上昇期間」としてさらなる取り組みの推進が位置づけられています。
<国内路線>
・新規路線の開設
・大阪線の通年運航
<国際路線>
・東アジアとのチャーター便の充実、定期路線の実現
<機能拡充>
・エプロン、国際線ターミナルビルの整備
そして、令和4年度からは
「巡航期間」とされ、次の目標が定められています。
<国内路線>
・福岡線の増便(3往復/日)
就航路線・便数:4路線・6便(往復)/日
<国際路線>
・定期路線の定着
国際定期便:2路線・4便(往復)/週
国際チャーター便:100便/年
以上、県の定めた方針では、
この数年のうちの国際定期路線実現が目標として掲げられています。国内線でも、さらなる期間延長や新規開拓が進められているところです。陸路のアクセスが悪くなってしまった松本圏域にとって、
空港の活性化は未来を切り拓く重要なテーマのひとつとなっています。
さきほども触れましたが、昨年から、新千歳空港に向かう札幌線に加えて、
夏季限定の札幌丘珠線が就航するようになりました。定期便であった新千歳空港は、札幌駅まで1時間弱かかってしまっていましたが、
この丘珠空港は、札幌駅まで6kmであり、20〜30分で向かうことができます。
昨年の利用率が好調であったこともあり、
今年は運航期間が3倍に延長されることとなりました。私たちのまつもと空港をさらに便利に、発展させていくためには、
市民が移動手段としてこの空港を多く利用して、利用率を高めることが不可欠です。
目標未達成となっている大阪便もあわせて、この夏は空港を使った観光スケジュールもぜひ検討して、まつもと空港の発展にご協力ください!
それでは、また明日。