2022年09月13日

歩行者天国にするための経費を100%補助する制度。アフターコロナの松本市で賑わいを生む。

こんばんは、前松本市議会議員の青木たかしです。

新型コロナ感染者数が連日発表される中、長野県では医療非常事態宣言が解除され、東京都も全数把握見直しがされるなど、新型コロナとの向き合い方や共存のあり方は少しずつ変わってきています。これからは各種事業やイベントは基本的に開催される方向性となっている中で、本日は今年から始まった、中心市街地で使える補助制度のご紹介です。

今年4月から松本市で始まった補助制度に「交通まちづくりにぎわい創出事業補助金」というものがあります。

名前の通り、まちのにぎわいを生むことを目的に、中心市街地を歩行者天国とする場合にかかる費用を、100%補助してくれるというものです。
この歩行者天国とする際にかかる費用というのは、車止めのバリケードや規制看板の制作・設置・撤去費用、歩車分離のプランターや、交通誘導員の人件費のことを指しています。大きなネックとなる誘導員の人件費まで100%補助対象というのは、運営側からするとかなりありがたい制度です!
上限額は初回100万円、2回目以降は50万円で、年間を通しての上限はありません。

現在、月1で開催されている中町通りの半分を歩行者天国にする実証実験が行われていますが、そこにこの補助制度が使われています。

注意点として、中心市街地のみが対象であり、単発ではなく、継続して実施する計画が必要であることと、通行止めに関わる経費以外の、宣伝費用やイベント設営にかかる費用は補助の対象外となり、他の補助制度とは併用ができないということが挙げられます。まちのイベントを実施する際には、商工課で同じような補助制度があり、こちらは補助率50%となっていることから、どちらがより有利になるかを比較する必要があると思います。

それでも、年間を通しての上限なしで100%補助というのはかなりインパクトがありますね。通行止めにするためには警察との協議が必要になり、ハードルは高いのですが、この制度を担当する松本市の交通部交通ネットワーク課の職員さんが一緒に協議をしてくれます。

その他、本制度に関する詳細はホームページから。
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/224/70526.html

市街地で歩行者天国にしていたケースとしては、新伊勢町のナイトテラスが事例として挙げられます。


寒空の下、ヒートパラソルの熱源がありがたかった…
今、この通りは改修が計画されていて、歩行者優先となるようなデザインの道路空間となるようです。

新伊勢町の他にも、コロナ禍を通してさまざまな地域活性化の動きがあることを聞いているので、この制度が活用されてさらに魅力的な市街地となるように、私もお手伝いしていきたいと思います。

それでは、またあした。  


Posted by 青木たかし at 21:22Comments(0)中心市街地活性化

2019年06月12日

松本駅再開発計画で、中心街・地域経済の活性化を。明日連携協定締結へ。待機児童への対策など、6月議会での市長所信表明

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

月曜日から始まった6月定例会。現在来週火曜日の一般質問登壇に向けて、鋭意質問作成中です。

定例会の開会日には、いつも市長がそのときの懸案事項などを表明する所信表明があります。今回そこで触れられたのは次のテーマでした。


昨日付市民タイムスより

1,松本市で取り組んできた食品ロス削減運動30・10運動が、国で食品ロス削減推進法として可決され、10月30日を食品ロス削減の日として制定された。
松本市の取り組みに由来するもので、「地方から国を動かそう」の成果のひとつとなった。ベラルーシで子どもが汚染食品に直面する中、日本では大量に食品を廃棄していることに問題意識を持ったことから松本市では積極的に取り組んできた。外食における持ち帰りの推進につなげていきたい。

2,市民満足度調査の結果が公開された。平成24年度から毎年実施しているが、18歳以上の市民1,300人から、無作為抽出で回答を得て、暮らしに満足しているか、永住する予定があるかといった指標で、いずれも昨年を上回る評価を得ている。

3,松本の健康寿命について
平成28年は
男:80.61歳
女:84.58歳

H17年と比較して
男:+2.04歳
女:+1.75歳

と言う結果となり、いずれも延伸傾向にある。健康作りに市民が取り組んできた結果であり、受動喫煙対策として区域指定に新に取り組んでいきたい。

4,クラフトフェアは35回目を迎え、松本の一大イベントとして定着している。
公共交通での移動も多く、町の散策を通して魅力を感じてもらった。

5,OMFについて、去年は小澤征爾監督が松本に療養のために来られなかったが、今年は8月には来松して総監督として活動はしてもらえると聞いている。子どもに最高水準の音楽に触れてもらう機会としたい。

6,待機児童対策として、H29年10月から、正規保育士の採用増、嘱託の給料改善に取り組んでいる。3歳未満児を受け入れる園改修や、民間保育園の開園支援をしている。
残念ながら36名の待機児童があり、真摯にこの状況を受け止め、保育士確保にできることから着実に取り組む。
教育無償化のための補正予算措置を講じている。子育てを社会で支えるため、多様な施策を展開していく。

7,松本駅再開発計画について、H29年11月7日にJRとしての今後10年を見据えた開発「NEXT10」が発表された。松本駅では、駅ビルの建て替えや、東西口の未利用地の活用などが検討されることになる。JR東日本として、松本駅開発推進室が設置され、松本市に協力要請があった。中心街活性化と中枢中核都市の機能を高められるよう、6月13日に市とJR長野支社で連携協定を締結し、コンパクトシティの実現、関係人口の増加、地域経済の活性化などがはかられるようにしていく。


昨日付市民タイムスより

松本駅再開発計画は大きなニュースとして新聞でも報じられています。今回の一般質問で、その詳細や今後の方向性については質問をしていくつもりなので、またよろしければ傍聴していただければ幸いです。

それでは、また明日。  


Posted by 青木たかし at 19:00Comments(0)中心市街地活性化議会報告

2019年02月21日

外堀復元の方針転換について、市長が地元地区で初の説明会を開催。住民主導の寄附集めのため、機運の醸成を!

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

昨日より、今期最後の議会となる、2月定例会が始まっています。



昨日は市立病院の候補地が、紆余曲折ありながら、結局今の候補地に決めるよう最終調整をしているという話も所信演説で発表され、議員の中でも困惑の声が聞かれています。今まで先延ばしになっていた経過はなんだったのかという思いが出てきますが、また来週予定されている特別委員会で詳細が議論されることになります。

さて、今日は、松本城南・西外堀復元事業に関して、初めて市長が地元に出向いて説明する地元説明会が開催されました。私も12月議会で、地元での説明を市長に求めた経過もあり(そのときの答弁では「まちづくりの議論を進めているので適宜時期を判断する」とされていました)、今回も参加させていただきました。




こちらの録画配信のうち、1〜6回目の質問の中で質問をしています。
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/sigikai/rokuga/rokuga/h30/12gatu/rokuga20181210.html



昨年行われた市長不在での地元説明会とは違い、市長が直接説明をし、住民の方に謝罪をしたことで、会議中もあまり荒れるようなことはありませんでした。



あらかじめ通告されていた質問に対して、市長と部長が答えるという議会のような形式で行われた質疑応答では


・市の説明責任の果たし方について、もっと早く市長が地元で説明すべきではなかったのか

将来的に外堀を復元するため、浅い堀にしたり、土壌汚染対策法を改正するなどの各種対策はとれないか

・平面整備というのは、今後どのように進むのか


といった質問が地元町会長から出され、それに対して市長が改めて「断腸の思い」と謝罪をしながら


堀の復元を諦めたわけではないことを強調

平面整備が固定化してしまわないように、平面整備後に公園として活用するかどうかは慎重に検討する

・平面整備後、芝生にするのか、公園にするのか等、進め方も含めて地元の意見を聞きながら進める

4億6千万円かかる汚染処理費用の費用圧縮方法を研究する


といったことが答弁されました。復元のための各方策がどうしてできないのかは、12月議会で私も一通り質問し、答弁をいただいているので、さきほどの動画を是非ご覧ください。

その後、自由に質疑応答の時間が設けられ、地権者に費用を求めるべきという声や、算出根拠についても質疑がありました。その中で、もともと、この地に印刷業者があったが、それによる汚染ではないかという質問もありましたが、

・広く均一に汚染が広がっている

・汚染濃度が10倍未満で、自然由来の汚染とされる濃度である

印刷所のあった箇所とその付近が、他よりも汚染されているという実態はない

ことから、自然由来の汚染と判断したという答弁がありました。

最終的には住民主導の寄附募集をまずは始めるのはどうかという声が参加者からあがり、今後も継続的に意見交換の場を設けることとして終わりました。
また、上田城復元のために10億円が匿名で寄附されたというニュースも、今回話題にあがっていました。行政としても、工夫してこの問題の発信をすることで、できることはあるのではないかと考えます。

私も12月議会で質問した中で、(将来の市長の政治判断があることも見据えて、)まずは住民主導の寄附集めの動きを作る必要があると感じました。
歴史的にも、松本城の危機を救ってきたのは松本市民でした。今回も新元号への移行とともに、市民の気運を高めながら、外堀復元への道を切り拓けるように、私も今後の議員活動に取り組んでいきたいと思います。

それでは、また明日。



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タグ :外堀復元


Posted by 青木たかし at 23:27Comments(0)中心市街地活性化松本城

2018年11月02日

小諸市の停車場ガーデンを視察。松本市内でも、市民協働でガーデニング空間はできるか

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日は、小諸市にある停車場ガーデンを委員会として視察してきました。NPO、市民協働のモデルケースであり、とても参考になったので、ブログで共有させていただきます。

※念のため、これは私個人が計画して行った視察ではなく、建設環境委員会として計画された視察です。下記の内容は、私の視察報告書の一部を抜粋したものです。

○停車場ガーデンとは?

停車場ガーデンは、市民参加で計画され、NPOが運営する公園で、開園から10年継続しています。四季折々の草木や花、おしゃれなオープンカフェ&ショップがあり、小諸宿の本陣主屋を復元した施設ではその歴史と手仕事の魅力を体験できるようになっています。



元は、小諸城が位置していた場所であり、その後、電車の停車場となった後、周辺に民間商業施設・娯楽施設が立ち並び、月極駐車場として広がっていました。駅前の物寂しい空間を盛り上げ、元気にしようということでこの計画が立ち上がりました。

2014年に全国の市民による優れた緑地管理を選定する緑の環境デザイン賞・特別企画において、「国土交通大臣賞」を受賞されました。2008年にも計画段階で設計案に対して大臣賞を受賞されているため、2度目の受賞となるようです。


○専門家・市民・行政が三つ巴となった協働モデル

一般的に、公園管理はできるだけ手がかからないように植栽なども考えることになりますが、この公園では、指定管理者制度によって管理をNPOに委託することを前提として計画を進めました。そのことで、自分たちで管理することを前提に市民有志と専門家が一緒に、理想のガーデニングの絵を描くことにつながりました。専門家と市民と行政が三つ巴となって協働したことにこの公園の特徴があります。

まず、この場所のもつ魅力を考える上で、ワークショップを重ね、その中で出てきたのが、「花をいっぱいにしたい」「ゆっくり過ごせる空間にしたい」「おしゃれなカフェを設置したい」といったもので、実際に現実のものとなっています。



その後、造園家のとりまとめた設計案が「緑のデザイン賞」で国土交通大臣賞を受賞し、800万円を獲得したことで自由にガーデニングを行うことができたといいます。造成と建物は市の予算で設置しました。実施設計段階では、公園管理の担い手の育成も視野に入れて、「緑の学校」と「食の学校」を設置することも並行して進めており、担い手を育成した段階で公園を供用開始としたことが特徴としても挙げられています。

市民の手を借りてどれだけ巻き込み、愛着をもってもらうかが重要であり、庭の管理に関わる人を広げて、共に学びながら設計に反映させていく中で、「自分たちの庭」という意識を醸成させていったといいます。また、極力行政主導とせず、形式的なものを排して市民が自主的に進めていったことも成功要因のひとつとして紹介されました。





○当初からブレないコンセプト「食と緑でまちを元気に」

ここのカフェで提供するのは地元食材を使ったもので、ショップでは道の駅のように、地元のパン屋さんやお菓子屋さんの品物、クラフト品から農産物も販売しています。
このカフェ&ショップは、本来「公園管理棟」のはずでしたが、事務所よりも、庭と一体になった開放的でおしゃれなカフェ&ショップの方がまちの活性化につながると考え、現在の形になったといいます。ただ、カフェ運営ノウハウをNPOでは持ち合わせていなかったため、3年前から影の運営は専門業者に委託をすることとなりました。結果、効率化と料理の質向上が図られ、地域の植物を活用した商品開発にもつながっています。



今、このエリアは新しい企画として各種イベントを開催したり、夕暮れにはワインを楽しんでもらうなど、駅前のにぎわいを生み出す場所となっています。



○隣接する公共施設も再利用し、管理にも工夫を凝らす

このガーデンエリアに隣接して、小諸宿の本陣を復元した市営歴史資料館があったのですが、来館者が少なく採算が取れなかったため、2005年から6年間休館していました。このエリアの造成にあたり、公園との一体的な活用を図ろうと、こちらの管理もNPOで受託することを考えたそうです。

その際、常駐スタッフの確保が課題となっていましたが、共同ギャラリーを持ちたいと願っていた手仕事作家のグループに、作業場兼ギャラリーとして使ってもらう代わりに常駐してもらうことを発想。1年の実験活用を経て、2012年に歴史的建物の公開&手仕事ギャラリー&ショップとして再オープンするに至りました。今はNPOが指定管理者となり、手仕事グループメンバーが運営し、建物を公開しながら毎月展示会や講座を企画・開催しています。



○公園を介して生まれる、人と文化の交流

この公園は、指定管理者であるNPO法人こもろの杜が市から管理運営を受託しています。NPOスタッフは積極的に「緑の学芸員」として、いろいろなグループのやりたいことをサポートし、様々な才能を持つ人材を見つけては企画を持ちかけ、団体や人のコラボレーションを仕掛けたりしています。



若い人から年配の方まで、自分たちの生きがいや活躍、表現の場を求める人たちの交流から生まれる力を、まちの想像力につなげていきたいという願いがあるそうです。


○プロセスに大きな価値

2005年、小諸市は空地になっていた駅前のこの場所を公園とすることを決め、それ以上のことは白紙の状態のまま、市民参加のワークショップ「駅周辺まちづくり・アイデア会議」を実施し、その運営をNPO法人小諸町並み研究会に委託しました。

参加者は公募で150人(延べ4回)。テーマ別に話し合う経過で、提案を実現させたいという市民有志の動きが生まれたといいます。2007年度にその参加者の中から、専門性とやる気のある人を中心に運営計画づくりをすすめ、2008年度にNPOこもろの杜立ち上げに至りました。これを受け、市はこのNPOに運営委託する方針を固めています。

このプロセスの中で、市は設計業者とは別に施設のプロデュースを小諸町並み研究会に委託。備品一つにしても、普通なら業者入札で適当に既成品を揃える所を、「施設のコンセプトに合ったものをできるだけ安く」というスタンスで、たとえばカフェのテーブルは地元デザイナーに依頼し、予算オーバーの部分はみんなで作業を手伝いました



行政やコンサルタントが先に設計を進めてしまい、運営者をその後に選定するという手順ではなく、市民・専門家の人材集めから始まり、関わる人の体制を形成しながらその人たちが想いを持って運営できる施設をデザインしていくという参加のプロセス設計は、時間はかかりながらも、高齢化の進む中心市街地において、新しい人材をまちづくりに呼び込み、活躍してもらうという目的においては理想的なプロセスです。
この取組によって、協働のノウハウも培われたとのことでした。


○組織体制について

立ち上げをプロデュースしたNPOのプランナーが担当理事として全体をまとめ、常勤1名(施設長)、非常勤3〜4名で公園管理とショップを回しています
初代施設長は計画ワークショップに参加した地元園芸家、2代目は全国にガーデナーを公募して、若さと専門性を備えた人材を獲得したといいます。NPO専従は施設長一人ですが、他にも主に子育ての終わった数人の女性スタッフが、庭仕事、ショップ運営、講座やイベント企画、広報にあたっています。経理部門は、商店経営者のNPO理事が裏方で支えています。
その他、多くのボランティアスタッフが、この公園の維持管理や、企画運営に携わっています。


小諸駅のすぐ目の前にある停車場ガーデン

○地元の理解と観光客の増加

これまでの経過で、やはり地元の理解は課題として挙げられていました。地元商店街との調整や音の問題もあるそうですが、地道に説明を続けているとのことです。来訪者の実績や良い感想が上がっているので、それをもとに商売に繋げてもらえるように伝えています。
また、現在この公園は、市民と観光客が半々で利用しており、どちらかに偏ることのないように、バランスを取って運営していくことに注意をしているとのことでした。




実際に現地を視察すると、そこにいるだけでも癒やされる憩いの空間となっており、ガーデニングの効果や価値を再認識することができました。子どもたちの通学路になっていることも、非常に意義深いと感じます。松本でも、駅前に留まらず、各所においてこれを参考に展開できる可能性を感じています。

高齢化の進む各地域において、住民の生きがいやコミュニティづくりにもつながる本事例は有効な取り組みであり、いかに初期段階から住民を巻き込み、当事者意識を持ってもらうかというモデルケースとして大変参考となりました。松原モールでも、展開できないかと想像を膨らませていました…。





それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 20:23Comments(0)楽都中心市街地活性化観光視察・研修

2018年11月01日

松本城南・西外堀の復元が中断となり、芝生による平面整備へ方針転換することに。どうして掘れなくなったのか?

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

先日更新した中核市に関する記事が、ヤフーニュースにも取り上げられました。「松本市が目指そうとしている中核市とは何なのか」について、現段階で市が説明していることと、今後の課題についてまとめてありますので、ご一読いただけますと幸いです。



ナガブロだけでなく、選挙ドットコム上のブログやホームページも更新していますので、こちらもよろしければ御覧ください。
https://go2senkyo.com/seijika/159204




今日から、外堀復元事業について書いていきたいと思います。

平成30年7月の議員協議会で、南・西外堀を復元することができなくなったことがわかりました。原因は、平成29年度8〜9月と平成30年1〜3月に行った土壌汚染調査で、鉛及びその化合物の土壌溶出量が、基準値を0.001〜0.021mg超えていると判明したことです。


1,なぜ土壌汚染があると掘れなくなるの?

まず、病院や食品加工場を設置するわけでもなく、お堀を掘るということなのに、どうして土壌汚染が関係するのかという疑問が生じるのではないでしょうか。

土壌汚染対策法では、3,000㎡以上の土地で、汚染基準値を超えている土地を「掘る」(形質を変更する)場合には、その区域を汚染区域として指定し、掘ったりすることでその汚染を周りに拡散させないため、汚染の適切な処理をしなければならないこととされています。

そして、その汚染除却にかかった費用は、その土地を汚染させた人が負担することとなっています。

しかし、調査分析の結果、広く均一に汚染が分布していることと、汚染が基準値の10倍以下であることから、自然由来の汚染(原因は不明)であることがわかりました。この汚染は、かつての堀底のあたりに分布しているようで、地表近くの土壌は汚染されていないこともわかっています。また、周辺の井戸や飲水にも現時点では溶出していないことも明らかとなりました。


2,自然由来の汚染であっても、土地所有者の責任に。市が除却費用を出せない理由。

自然由来なら、汚染させた原因となる人がいないので、問題がなさそうに見えます。

しかし、平成22年に土壌汚染対策法が改正され、自然由来であっても、健康被害の観点からは汚染であることには変わりがなく、土壌汚染対策法が適用されることとなりました。そうなると、この区域を汚染区域として指定をしなければならなくなり、汚染が拡散しないようにするため、鉛の汚染を綺麗にする必要が生じます。

この時、この綺麗にする費用を誰が持つことになるかといえば、土地の地権者が原因の汚染ではないため、市が費用負担していいように思えます。

しかし、今度は民法570条において、「売主の瑕疵担保責任」という法律があり、売買した土地に隠れた問題(瑕疵)があった場合、その問題を取り除くための費用は売主(今回は地権者)が負担しなければならないこととされています。(契約書上にも、この「瑕疵担保責任」の条項は明記されています。)

その費用は、少なくとも4億6千万円にのぼるとされていて、土地の購入費用がそれだけ減額されることとなってしまいます。

これを市が税金を使って綺麗にする費用を支払った場合、一部の市民への便宜供与にあたり、住民訴訟が起こされる可能性が高くなることから、市でも費用を出せず、売主にも請求できないという事態が生じました。


3,用地購入の目的を「平面整備」として方針転換し、お堀復元は将来課題へ。

法律上、土地の瑕疵が見つかってから1年以内(土壌汚染発覚が29年9月であったため、翌年の30年9月までの間)に、買主は売主に損害賠償を請求することができるとされていて、これをしなかった場合、先程の市民への便宜供与にあたってしまうという状況に置かれることになった松本市。

そこで、当初の方針を転換し、残り半分の用地取得はこのまま目指すものの、掘る予定であったお堀の部分は、たとえば芝生を張って公園のような使い方のできる場所とする、平面整備の方針へと切り替えることとなりました。

これが7月の議員協議会に諮られることとなり、私を含め、何人かの議員が検証不足や住民が知らない段階での了承ができないことから、継続協議を求める立場を取りましたが、20対10の賛成多数で平面整備の方針を了承すると議会で集約されました。

この場で、市長からは「断腸の思い。本意ではないが、外堀復元は、将来の課題として取り組むことを強く望む。」との説明がありました。


外堀を芝生整備したイメージ模型


4,内堀からも汚染が検出され、外堀も汚染されている可能性は認識されていた

これまでの経過を時系列で見てみます。

平成19年 菅谷市長が外堀復元事業の着手を表明

平成22年 土壌汚染対策法が改正され、自然由来の汚染も対象となる

平成25年 外堀用地取得開始内堀の堆積泥を除却する際に基準値を超えるヒ素が検出される

平成26年 外堀用地内の土壌汚染調査(地歴調査)を実施し、内堀同様の掘であることから、自然由来の土壌汚染が存在する可能性がある土地として認識

平成29年 外堀用地の25地点で土壌汚染調査(土壌調査)を実施したところ、9地点から基準値を超える「鉛及びその化合物」を検出


土壌汚染調査の結果の資料


本来であれば、広大な事業用地で自然由来の汚染が広がっている以上、汚染除却費用は売主に請求しなければならないため、この事業は成立しないこととなります。議員協議会でその点を指摘した所、見通しが甘いと言われればそうなるとの答えもありました。

しかし、平成30年7月時点で48%の用地取得を終え、これまでに14億9000万円の事業費(うち8割にあたる約12億円が国庫補助金、残りは市費)をかけて進められてきました。そして、松本城の南・西外堀を復元するために、底に住んでいた地元住民に立ち退きの協力を仰ぎながら取り組まれてきたもので、いわば痛みを伴う事業でもありました。市長も、「相当の覚悟」を持って取り組んできたと発言しています。

ここまで事業が進んでしまっていて、市民の間でも強い期待感があったものであり、公費も投入されてきた事業であることから、なんとかして掘れる方法はないか、現在私も研究を進めています。

次回以降、今市に求められていることと、どうしたらお堀を掘ることができるのかについて、書いていきたいと思います。

それでは、また明日。




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Posted by 青木たかし at 23:50Comments(0)中心市街地活性化観光松本城議会報告

2018年09月06日

松本市のシェアサイクル、来年4月に導入予定。有料で24時間貸出、返却可能。その設置箇所や料金設定はどうなる?

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

台風21号の被害に続き、北海道では未明に最大震度7の地震が発生し、多くの死者・安否不明者・負傷者が出ています。

厚真町は震度7 北海道内で史上初の観測 気象庁:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASL96530CL96UTIL04K.html

松本市の災害対策については、私もいくつか記事にしているので、私のこのホームページで「防災」「地震」といったワードで検索していただければ幸いです。6月議会で松本市の避難所について質問をしています。よろしければ御覧ください。







さて、本日は、昨日の話題()に引き続き、松本市で次世代交通の一環として導入予定となっているシェアサイクルについてです。


8月23日付市民タイムスより

これまでコミュニティサイクルと呼ばれてきましたが、今後松本市ではシェアサイクルと呼称を改めることとなりました。これまでの検討経過はこちらを御覧ください。





導入予定は来年2019年4月。24時間いつでも利用可能で、どの拠点(サイクルポート)でも貸し借りができます。スマートフォンを使って、自動で登録・解錠・決済を行います。

料金体制は各自治体によって様々です。


・仙台市:103円/60分(以後103円/30分)、月額会員(30分/回)1,543円/月

・岡崎市:50円/15分(24時間で上限1,000円)

・奈良市:120円/30分

・和歌山市:100円/30分、1日パス500円、月額パス2,500円


事業者をどうするか、どこにいくつサイクルポートを設置するか、料金体系をどうするかといったことは、公募プロポーザルによって選定することとなりました。

サイクルポート配置、料金体系、事業費用を事業者から公募し、市で組織した委員会で評価して、効果的な提案をした事業者を選択して導入することとなります。

先行して導入されていた安曇野市では電動アシスト機能付きの車両を使っているとのことですが、松本市ではその機能の有無は問わないこととなっています。

市で目安として検討しているのは

・サイクルポートを松本バスターミナル、美術館、芸術館、松本城等の中心市街地9箇所

・料金は30分間で100〜200円

・当初は100台程度の車両導入

を想定しているとされています。


これまで使われていたレンタサイクル「すいすいタウン」はどうなるかというと、観光客を中心に緑色の車体を見かける方も多いと思いますが、利用が好調となっていることから、当面はそのまま継続するとのこと。しかし、報道では、2021年度末には廃止することを考えているとされています。


シェアサイクルは、公共交通を補完する機能を持っていて、バスや電車からシェアサイクルを使い、徒歩ではいけなかった目的地に寄って、そこから別のバス停を乗り継ぐといったこともできるようになります。
また、例えば30分200円となってしまうと、他の交通手段と比較して高い料金となってしまうことから、その価格設定も重要です。

電動アシストがついたり、定額制の料金形態が設定されたり、パークアンドライドや観光地のそばにポートが設置されたりすれば、一層使い勝手も良くなるため、そういった事業者からの提案がなされることを期待します。

それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 18:03Comments(0)中心市街地活性化

2018年01月07日

アルピコプラザ(旧アリオ)、2月15日に本開業へ。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

昨日は初市と出初式が行われたので、そちらに出席してきました。


午前中は曇りだったので例年より寒さが厳しかったです。団員の皆様、お疲れ様でした。


1月5日の市民タイムス一面には、イオンモール松本の歩行者安全対策の一環として進められている東部交番移転の候補地絞込の件や、新年祝賀会で表明された松本空港大阪便開設への意欲表明など、いろいろなテーマが掲載されていましたが、その中でアルピコプラザの開店日についても触れられています。

イオンモール松本が開店したことに加え、アリオの閉店も重なって、今駅前の人通りが減少していると言われています。歩行量については市と商工会議所で調査中ですが、商店にも影響が出ているようです。

市街地の中心が駅前からイオンモール松本に移りゆく中、アリオの位置に開店するこのアルピコプラザによって、また市街地の人通りはどのように変わるのか注目されています。

既にアルピコプラザの中核となる衣料品テナントは開店しています。




今日付けの市民タイムスでは、市の人口が6年連続で減少し、中心街が空洞化しているとの記事も掲載されていました。

市長の新年挨拶でも、「中心市街地活性化対策を一層強化したい」との発言もありましたが、私としてもその点をしっかり注視していきます。


それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 00:03Comments(0)中心市街地活性化

2017年11月19日

過去最大規模の草間彌生さん特別展が松本市美術館で3月3日から開催。123日間の期間中に10万人の来場予想も。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

しばらく視察や出張が重なっていて、更新が止まってしまいましたが、また12月議会に向けて書いていきます!

14日、教育民生委員会で、3月に開催する草間彌生さん特別展の詳細が報告されました。



今年は松本市市制施行110周年ということで、多くの記念事業が実施されてきましたが、そのフィナーレに位置づけられるものがこの草間彌生展になりそうです。

期間は平成30年3月3日(土)〜7月22日(日)の123日間

他の美術館を含む巡回展ではなく、松本市美術館単独での開催で、「これまでにない規模」での開催が予定されています。


2012年にも個展が開催されましたが、そのときは103日間で73,000人が訪れました。今回は、10月に新宿で草間彌生さんの個人美術館が開館したこともあり、そのとき以上の来客があると想定されています。市では一日あたり700人の来客を目標としていますが、10万人を超える可能性もあると見込んでいます。

市でも、その場合の駐車場確保(美術館には80台しかない)、渋滞対策、観覧者の安全確保策を検討しながら、実行委員会形式で展示詳細を調整しているとのこと。

市からは「草間さんのふるさとが松本であることをアピールできるような展示を目指す」といった説明もあり、議員からも「今回の展示が単発で終わることなく、次につながるようなものとしてほしい」という意見も出されました。

草間彌生さんが世界から注目されている中、松本市では作品やその雰囲気が美術館の敷地内に留まってしまっているのが残念であり、松本市がふるさとであることを印象づけられるような工夫をしてもらえるよう、私も今後提案をしていきたいと考えています。

それでは、今日はここまでとして、また明日。



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Posted by 青木たかし at 00:04Comments(0)楽都中心市街地活性化

2017年11月05日

20万人でにぎわった市民祭松本まつりのディズニーパレードや松本城二十六夜神例大祭の様子。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

3日はまつもと市民祭松本まつり。市制施行110周年記念ということでディズニーパレードが実施されたこともあり、主催者発表では20万人の人出があったとされています。



まつもと市民祭松本まつりのディズニーパレード!

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停車していたダッフィーバス。正面で写真撮影ができるようになっていました。


松本城下町らしく、武者行列も。


歩行者天国となった松本のまちを大勢の人が行き交い、市民の団体がそれぞれの出展をしながら賑わっている様子は、松本市民としてとても嬉しく、誇らしい光景でした。

交通規制が終わって市街地に車が乗り入れ、渋滞し始める街を見ると、このまちの交通状況を早く改善しなければと改めて感じます。



松本城本丸庭園では、二十六夜神例大祭。


庭園ではお茶を飲むことも出来ました。




この日、市民活動サポートセンターでは、ぼくらの学校という市民団体の活動発表イベントも実施されていました。


イオンモール松本では、クリスマスツリーの点灯式も。



4日は松原地区の文化祭があったので、毎年恒例となったわたあめをせっせと作っていました。作っているとまつげに絡まるのが厄介ですが、改善方法はあるのでしょうか……。今年は、松原地区の方と写真撮影講座に参加して、2点の作品を展示させて頂きました。




3連休最終日がみなさんにとっていい日になることを願います。

それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 04:23Comments(0)中心市街地活性化松本城

2017年10月31日

11月3日、まつもと市民祭ディズニーパレードのコース詳細。歩行者天国もあり大混雑が予想される中、どうやって行けばいい?

こんばんは、最年少市議会議員の青木たかしです。

ナガブロ総合ランキングで3位になりました。ありがとうございます。最近アクセスが増えた要因として、11月3日に松本市で実施されるディズニーパレードの記事を読まれた方が多いようなので、詳細や行き方について書いてみたいと思います。



大町市で実施されたディズニーパレードの様子
https://youtu.be/yUFvc07oqcI


松本まつりチラシより


1,イベントの日時とパレードのコースは?



・日時は2017年11月3日(金・祝日)

歩行者天国になるのは午前9時50分~午後4時

オープニング式典は、大名町特設ステージで午前10時15分~10時40分

11:00頃からパレード出発予定です。

下の地図上、たけしや西堀店さんの前からスタートして、まっすぐ南へ駅前通りまで進み、駅前通りに出たら東に向かって、芸術館手前までの1キロメートル、およそ30分間かけてのパレードコースが予定されています。(下の地図は操作できます。)



今回は停止しているダッフィーバスが展示され、乗車はできないものの、外側から写真撮影をすることもできるようです。

この他にも、ミス松本のパレードや旧車展示会もあるとのことなので、イベント詳細はこちらから御覧ください。

2017/11/03 第60回松本まつり(まつもと市民祭) http://youkoso.city.matsumoto.nagano.jp/events/20171103-%e7%ac%ac60%e5%9b%9e%e6%9d%be%e6%9c%ac%e3%81%be%e3%81%a4%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%a4%e3%82%82%e3%81%a8%e5%b8%82%e6%b0%91%e7%a5%ad

第60回 松本まつり | みごろ http://migoro.mcci.or.jp/feature/detail/2017102300011/



2,どのように市街地に行けばいい?

大町市で実施された際にも、ディズニーパレード目当てに相当な見物客があったと聞いています。イオンモール開店直後の休日ということもあり、ここ最近の市街地の交通状況を見る限り、大規模な渋滞が予想されます。

さらに、歩行者天国が9:50〜16:00まで続く(一部は12時半まで)ことから、車やバスはその時間帯に市街地の対象道路を通ることができません
車で市街地に行くと大幅に時間がかかることになり、路線バスも、通行止め時間帯は一部運休になるので注意が必要です。

各路線バスの運休情報はこちらのPDFをファイルから。
matsumotomaturi2017_03.pdf (PDF: 446.8KB)





そこで、今回の松本市民祭には、運休前の朝にバスで市街地に出る電車を使って行くことになると思います。もちろん、近隣の方は徒歩か自転車で!



平田駅、新村駅、森口駅には車を停められるパークアンドライドがあるので、そちらもご活用ください。

松本初、県内5回目となるディズニーパレード。車は使えないものとして、公共交通でお越しいただき、松本市街地を走るパレードを盛り上げましょう!

それでは、また明日。



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