2018年03月25日
成長可能性都市ランキング8位に対して、「実績が不足」と評された松本市。どう市政に活かしていくのかを質問しました。
こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
12月定例会にて、野村総研による成長可能性都市ランキングと、その提言への対応について質問をしています。まだ記事にしていなかったので、本件について取り上げたいと思います。質問概要はこちらの記事にあります。
昨年の成長可能性都市ランキングについて、野村総研の執筆者をお呼びした講演会を市で開催しており、そこに市長も同席されていたことから、その分析をどうしているのかということをお聞きしました。
あわせて、総合ランキングが8位と評されていますが、同時にポテンシャルも全国6位であると評されています。
執筆者の解説によりますと、これは他都市と差別化できる要素はあるにもかかわらず、ビジネス創発、産業創発に結びついておらず、やるべき政策的要素がまだまだあるのではないかということの裏返しでもあるといった説明もありました。
そして、「信州大学のような大学、研究機関を核として新しいビジネスを起こすこと、具体的には起業、創業、地元企業の新規事業創出を図る仕組みや仕掛けをつくることが重要である」との提言がなされたため、この提言に対してどう取り組むのかといったこともお聞きしました。
具体的な講演会の内容はこちらの記事にまとめてありますので御覧ください。
これに対し、市長からは、
・執筆者から、「ポテンシャルの高さに比して実績が物足りない」との指摘があり、現時点での実績不足という指摘については真摯に受けとめる必要があると感じている。
・今回の調査結果で示されました松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけるべく、具体的に施策の取り組みを進めるよう担当部長に指示している。
との答弁があり、担当の商工観光部長から、
・このたびの野村総合研究所の提言は、まさに松本市が推進すべき重要な取り組みであると受けとめている。
・提言では、実績が物足りないという指摘もある中、去る11月20日には信州大学の濱田学長と市長、副市長の懇談の機会を持ち、今後さらに連携を深め、結果にこだわって産業創発を推進していくことで共通の認識を確認したところである。
・新たな松本市工業ビジョンでは、健康・医療産業の振興に加え、新たに食料品製造業、産業用ロボット分野を追加するとともに、ICTの活用による産業振興を重点推進事項と位置づけることも検討している。これらの分野において、大学、学術研究機関の協力が不可欠であり、今後、しっかりと協力体制を構築しながら、積極的に産学官連携を推進していく。
との答弁がありました。
その後、商工会議所の新年会においても、市長挨拶にて「目に見える形での産業創発」への意気込みが語られ、30年度当初予算ではクラウドファンディングの組成手数料補助や、これまで市でも検討を進め、芝山議員の質問でも取り上げられたICT人材育成拠点など、新しい創業への取り組みが事業化されています。
30年度予算の概要はこちらの記事を参照下さい。
野村総研の調査・提言をしっかりと松本市政に活かし、計上された新規事業の今後も含め、引き続き、市としての経済面での取り組みが推進されるように、議会で取り上げていきたいと思います。
以下、12月定例会の質問の議事録を転記します。
青木:初めに、ことし7月に発表されました成長可能性都市ランキングについて質問をいたします。
これは、全国100都市の産業創発力をランクづけしたものですが、地方都市として外貨を獲得できるローカルハブになれる可能性があるかどうかといったものを評価したランキングとなっております。さきの定例会でも南山議員からこれに関する質問があり、また、市長によるさきの市政懇談会におきましても説明をされているものですが、その後、11月13日、松本市役所にて、この調査を行った野村総合研究所の小林上級研究員による職員向けの講演が行われています。実際に執筆されました小林研究員による解説と分析に関する内容でしたが、外部機関によるデータに基づいた調査で、他都市と比較された上での結果となっておりまして、今後の松本市の生活、経済を考える上で重要な指摘がなされているものであると私は感じています。講演の場に市長も同席されていたことから、その講演を受けての市長所感と、この調査についてどのような分析をされているかについてお伺いします。
市長:お答えいたします。
9月定例会冒頭の提案説明でも申し上げましたとおり、国内トップクラスの民間調査機関である野村総合研究所が第三者の立場で国内主要100都市の産業創発力を評価した調査において、ただいまお話がありましたが、松本市は総合で第8位と、並み居る全国の大都市を超える高い評価をいただいたことにつきましては、率直にうれしく思っております。
ご講演の中で、松本市は都市の魅力やコミュニティーのきずなを初めとしたソーシャル・キャピタルの充実が際立って高いとの評価を受けました。これは、私が市長就任以来、医療、福祉、子育て支援を基本施策にぶれることなく取り組んできた、安全・安心で健康なまちづくりや地域づくりセンターを核とした地域のきずなづくりに対する取り組みが産業創発の基盤として評価されたものと考えております。
しかし一方で、ポテンシャルの高さに比して実績が物足りないとの指摘もございました。ご承知のとおり松本市は、まちづくりの基本目標の一つとして経済の健康を掲げ、健康・医療産業の創出、育成や、本定例会でも複数の議員からご質問いただいておりますICT活用地域産業振興事業など、経済・産業政策の充実に努めているところではございますが、現時点での実績不足という指摘については真摯に受けとめる必要があると感じております。
したがいまして、今回の調査結果で示されました松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけるべく、具体的に施策の取り組みを進めるよう担当部長に指示しているところでございます。
以上でございます。
青木:答弁をいただきました中で、ポテンシャルに比して実績不足という指摘は真摯に受けとめていること、松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけていくこと、そのために具体的施策の取り組みを進めていくことということでありました。
担当部長に指示をされているということでしたが、具体的に野村総合研究所の調査担当者からは今後の松本市の目指す方向性について提言をいただいております。これについてどのように今後対応していくのかについてをお伺いしたいと思います。
講演の中では、今も説明にありましたが、人と人のつながりであるソーシャル・キャピタルに強みがあり、それを伸ばし生かすことが重要であること、また、外部からの人材流入に結びついておらず、都市の魅力の高さを生かして優秀な人材を誘引しつなぎとめることが課題であること、また、何もやっていないというわけではないが、松本市として特徴的な取り組みが必要だといったことが指摘されています。
また、松本市は総合ランキングが8位と評されていますが、同時にポテンシャルも全国6位であると評されました。研究員によりますと、これは他都市と差別化できる要素はあるにもかかわらず、ビジネス創発、産業創発に結びついておらず、やるべき政策的要素がまだまだあるのではないかということの裏返しでもあるといった説明もありましたが、これらを踏まえまして、信州大学のような大学、研究機関を核として新しいビジネスを起こすこと、具体的には起業、創業、地元企業の新規事業創出ということだそうですが、こういった仕組みや仕掛けをつくることが重要であるといった提言がなされました。
松本市の今後の成長を望むに当たりまして、第三者機関による重要な提言であると感じていますが、これらの課題と提言に対して、今後、市としてどのように対応されていくのか見解をお伺いします。
商工観光部長:お答えします。
地域で新たなビジネスを起こすことや、地元企業が新規に事業を創出するためには、産業界や大学、研究機関などの学術機関、行政が連携して取り組むいわゆる産学官連携が非常に重要であります。とりわけ松本市におきましては、地域貢献度全国トップの信州大学がございますので、その強みを生かした産業創発の仕組み、仕掛けを充実させるというこのたびの野村総合研究所の提言は、まさに松本市が推進すべき重要な取り組みであると受けとめております。
松本市においては平成16年に、信州大学、松本大学、松本歯科大学が参画した松本地域産学官連絡会を設立したほか、平成17年には信州大学と包括的連携協定を締結するなど、連携に関する仕組みづくりを行ってまいりました。
また、松本ヘルスバレー構築に向け、現在進めている健康・医療産業の振興を図るために組織した松本地域健康産業推進協議会でも、信州大学の濱田学長に副会長を務めていただいており、まさにプロジェクトの中核でともに取り組む仕組みができております。
提言では、実績が物足りないというご指摘もいただいているところですが、去る11月20日には信州大学の濱田学長と市長、副市長の懇談の機会を持ち、今後さらに連携を深め、結果にこだわって産業創発を推進していくことで共通の認識を確認したところでございます。
このような状況の中、本年度策定作業を進めている新たな松本市工業ビジョンでは、健康・医療産業の振興に加え、松本の強みを生かしながら産業創出を加速させる分野として、新たに食料品製造業、産業用ロボット分野を追加するとともに、ICTの活用による産業振興を重点推進事項と位置づけることも検討しております。これらの分野において、大学、学術研究機関の協力が不可欠でありますので、今後、しっかりと協力体制を構築しながら、積極的に産学官連携を推進してまいります。
以上でございます。
青木:答弁の中で、提言は重要な取り組みであると受けとめていただいており、また、信州大学長とも、結果にこだわっていくといったことを再確認しながら、大学、研究機関との協力を積極的に推進していきたいといったことでございました。
これまで産学官連携のさまざまな仕組みづくりに取り組まれているということでありましたが、既に連携構築をしている中で、統計をもとに他都市と比較をしますと、産業基盤や人材定着、実績の点が、24万人都市に備わっているポテンシャルに比して物足りないといった現状を指摘されていたのが、今回の調査結果であると思います。市長答弁にもありましたとおり、外からの課題の指摘を受けまして、目に見える形での産業創発に結びつけるよう、また、結果にこだわっていただくよう、具体的施策の取り組みを進めるようにしていただきたいと思います。
以上です。それでは、また明日。
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12月定例会にて、野村総研による成長可能性都市ランキングと、その提言への対応について質問をしています。まだ記事にしていなかったので、本件について取り上げたいと思います。質問概要はこちらの記事にあります。
昨年の成長可能性都市ランキングについて、野村総研の執筆者をお呼びした講演会を市で開催しており、そこに市長も同席されていたことから、その分析をどうしているのかということをお聞きしました。
あわせて、総合ランキングが8位と評されていますが、同時にポテンシャルも全国6位であると評されています。
執筆者の解説によりますと、これは他都市と差別化できる要素はあるにもかかわらず、ビジネス創発、産業創発に結びついておらず、やるべき政策的要素がまだまだあるのではないかということの裏返しでもあるといった説明もありました。
そして、「信州大学のような大学、研究機関を核として新しいビジネスを起こすこと、具体的には起業、創業、地元企業の新規事業創出を図る仕組みや仕掛けをつくることが重要である」との提言がなされたため、この提言に対してどう取り組むのかといったこともお聞きしました。
具体的な講演会の内容はこちらの記事にまとめてありますので御覧ください。
これに対し、市長からは、
・執筆者から、「ポテンシャルの高さに比して実績が物足りない」との指摘があり、現時点での実績不足という指摘については真摯に受けとめる必要があると感じている。
・今回の調査結果で示されました松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけるべく、具体的に施策の取り組みを進めるよう担当部長に指示している。
との答弁があり、担当の商工観光部長から、
・このたびの野村総合研究所の提言は、まさに松本市が推進すべき重要な取り組みであると受けとめている。
・提言では、実績が物足りないという指摘もある中、去る11月20日には信州大学の濱田学長と市長、副市長の懇談の機会を持ち、今後さらに連携を深め、結果にこだわって産業創発を推進していくことで共通の認識を確認したところである。
・新たな松本市工業ビジョンでは、健康・医療産業の振興に加え、新たに食料品製造業、産業用ロボット分野を追加するとともに、ICTの活用による産業振興を重点推進事項と位置づけることも検討している。これらの分野において、大学、学術研究機関の協力が不可欠であり、今後、しっかりと協力体制を構築しながら、積極的に産学官連携を推進していく。
との答弁がありました。
その後、商工会議所の新年会においても、市長挨拶にて「目に見える形での産業創発」への意気込みが語られ、30年度当初予算ではクラウドファンディングの組成手数料補助や、これまで市でも検討を進め、芝山議員の質問でも取り上げられたICT人材育成拠点など、新しい創業への取り組みが事業化されています。
30年度予算の概要はこちらの記事を参照下さい。
野村総研の調査・提言をしっかりと松本市政に活かし、計上された新規事業の今後も含め、引き続き、市としての経済面での取り組みが推進されるように、議会で取り上げていきたいと思います。
以下、12月定例会の質問の議事録を転記します。
青木:初めに、ことし7月に発表されました成長可能性都市ランキングについて質問をいたします。
これは、全国100都市の産業創発力をランクづけしたものですが、地方都市として外貨を獲得できるローカルハブになれる可能性があるかどうかといったものを評価したランキングとなっております。さきの定例会でも南山議員からこれに関する質問があり、また、市長によるさきの市政懇談会におきましても説明をされているものですが、その後、11月13日、松本市役所にて、この調査を行った野村総合研究所の小林上級研究員による職員向けの講演が行われています。実際に執筆されました小林研究員による解説と分析に関する内容でしたが、外部機関によるデータに基づいた調査で、他都市と比較された上での結果となっておりまして、今後の松本市の生活、経済を考える上で重要な指摘がなされているものであると私は感じています。講演の場に市長も同席されていたことから、その講演を受けての市長所感と、この調査についてどのような分析をされているかについてお伺いします。
市長:お答えいたします。
9月定例会冒頭の提案説明でも申し上げましたとおり、国内トップクラスの民間調査機関である野村総合研究所が第三者の立場で国内主要100都市の産業創発力を評価した調査において、ただいまお話がありましたが、松本市は総合で第8位と、並み居る全国の大都市を超える高い評価をいただいたことにつきましては、率直にうれしく思っております。
ご講演の中で、松本市は都市の魅力やコミュニティーのきずなを初めとしたソーシャル・キャピタルの充実が際立って高いとの評価を受けました。これは、私が市長就任以来、医療、福祉、子育て支援を基本施策にぶれることなく取り組んできた、安全・安心で健康なまちづくりや地域づくりセンターを核とした地域のきずなづくりに対する取り組みが産業創発の基盤として評価されたものと考えております。
しかし一方で、ポテンシャルの高さに比して実績が物足りないとの指摘もございました。ご承知のとおり松本市は、まちづくりの基本目標の一つとして経済の健康を掲げ、健康・医療産業の創出、育成や、本定例会でも複数の議員からご質問いただいておりますICT活用地域産業振興事業など、経済・産業政策の充実に努めているところではございますが、現時点での実績不足という指摘については真摯に受けとめる必要があると感じております。
したがいまして、今回の調査結果で示されました松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけるべく、具体的に施策の取り組みを進めるよう担当部長に指示しているところでございます。
以上でございます。
青木:答弁をいただきました中で、ポテンシャルに比して実績不足という指摘は真摯に受けとめていること、松本市の成長可能性の高さを目に見える形で産業創発に結びつけていくこと、そのために具体的施策の取り組みを進めていくことということでありました。
担当部長に指示をされているということでしたが、具体的に野村総合研究所の調査担当者からは今後の松本市の目指す方向性について提言をいただいております。これについてどのように今後対応していくのかについてをお伺いしたいと思います。
講演の中では、今も説明にありましたが、人と人のつながりであるソーシャル・キャピタルに強みがあり、それを伸ばし生かすことが重要であること、また、外部からの人材流入に結びついておらず、都市の魅力の高さを生かして優秀な人材を誘引しつなぎとめることが課題であること、また、何もやっていないというわけではないが、松本市として特徴的な取り組みが必要だといったことが指摘されています。
また、松本市は総合ランキングが8位と評されていますが、同時にポテンシャルも全国6位であると評されました。研究員によりますと、これは他都市と差別化できる要素はあるにもかかわらず、ビジネス創発、産業創発に結びついておらず、やるべき政策的要素がまだまだあるのではないかということの裏返しでもあるといった説明もありましたが、これらを踏まえまして、信州大学のような大学、研究機関を核として新しいビジネスを起こすこと、具体的には起業、創業、地元企業の新規事業創出ということだそうですが、こういった仕組みや仕掛けをつくることが重要であるといった提言がなされました。
松本市の今後の成長を望むに当たりまして、第三者機関による重要な提言であると感じていますが、これらの課題と提言に対して、今後、市としてどのように対応されていくのか見解をお伺いします。
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以上でございます。
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