2019年01月14日
松本城公園の年間有料入場者数が81万人から75万人へ減少。松本城の財政見通しと、ビアフェス中止後の対応について。
こんにちは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。
昨日の記事に引き続き、6月議会のご報告です。
6月議会での質問の様子
四賀野球場の件と、ふるさと納税のほかに、松本城に関する質問も行っています。
まず、松本城の入場者数と財政見通しについてです。
今、松本城では石垣修理や天守耐震化、お堀のしゅんせつなど費用のかかる懸案事項が山積しています。
その一方で、松本城の収入源である有料入場者数は、平成28年度81万人であったものが平成29年度に75万人へと減少したということがわかりました。
この原因として次の3点が指摘されています。
・外国人観光客はふえているものの、国内の観光客が減っている
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/miryoku/matsumoto_tourism/seisaku/vision.files/kankouvision.pdf
こちらの観光ビジョン9ページのあたりからもわかる通り、観光客数自体は減少傾向にある。
・大河ドラマ「真田丸」効果の落ち着き
・全国的にお城ブームが下火になってきている
本年度の松本城特別会計当初予算でも、観光客数減による減収を踏まえた予算編成となりました。松本市民の誇りであり、心のよりどころである松本城。多くの課題が山積する中、松本城特別会計の財政見通しはどうなるのでしょうか。
また、国費による補助もあるとは思いますが、これからも私たちの世代で松本城を守り、受け継いでいくためにできることもあります。例えば全国のお城を持つ市では、お城の保存整備費用をインターネットを通じたクラウドファンディングという形で寄附を募ったり、あるいは大阪城公園などのように民間による委託、PFI導入によって事業を実施して、その収益の一部をお城の整備に充てるといったことも事例として挙げられています。今の時代に合った市民、市外の松本城ファンによるお城を守る方法もある中で、松本城特別会計の見通しと、松本城を守っていくための財源確保対策をどのように考えているのか、市の見解を伺いました。
答弁)現在、松本城の維持保全には国庫補助を取り込み、松本城施設整備基金を活用して計画的に事業を行っております。しかしながら、松本城という世界レベルの文化遺産の価値を損なうことなく後世に引き継いでいくためには天守の耐震化、堀のしゅんせつや石垣の修復など大型事業を初め、文化財保護や安全管理の面からも施設の維持管理費や人件費などの経費が増加し、将来的にはさらなる財源確保を検討していく必要があると認識しております。そのため、近い将来には、平成16年度以降では平成23年の消費税関連の改定だけでございまして、抜本的な改定には至っておりませんので、観覧料の見直しも視野に入れながら財源確保を検討していく必要があると考えております。
それに加えまして、明治期から市民の力で松本城を守り続けてきた精神に学び、市民の力はもとより、市外にお住まいの方や企業も含め多くの力を結集し、みんなで松本城を守っていくという形でのご支援などについても検討してまいります。
今後は本年度策定予定の公営企業の経営戦略を踏まえまして、財源確保や特別会計のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
答弁の中では、今後の会計のあり方について見直すことが示されたほか、観覧料の引き上げについても言及されています。たしかに、姫路城などと比べると松本城入場料は低価格に設定されていますが、観光客への影響について、委員会の場でしっかり議論されるようにしたいと思います。
このほか、一昨年中止することとなったビアフェスのその後の対応についても質問しました。
松本城公園内においては、新しく内規を設けることによって、その対策を求めるものとされていました。
30年6月14日付市民タイムスより
答弁)昨年8月に松本城公園におけるイベント開催のあり方について混乱が発生した以降でございますが、混乱の原因となりました内規を廃止し、関係団体との話し合いの場を持つとともに、議会に報告し、ご意見を聞いてまいりました。
それ以降のそば祭りや氷彫フェスティバルでは、イベントの主催者を初め、庁内関係課と連携を密にとりながら具体的な実施内容について検討を重ね、大きな問題はなく実施できたと考えております。
また、イベントのあり方を初め、将来的な松本城公園の活用や史跡保護の観点からも広く市民の意見を聞いていくということの中で、松本城公園の在り方を考える講座を2月から3月に全4回開催し、延べ94人の参加をいただきました。この学習講座では、松本城公園の活用の変遷や松本城及びその周辺の整備計画を学ぶなど、これまでにないまちづくりや都市デザインの観点からの視点も加えた白熱した意見交換をすることができました。
さらに、4月には、松本城公園の在り方を考えるシンポジウムを開催し、49人の参加をいただき、保全とリデザインの方向性をテーマに基調講演とパネルディスカッションを行いました。講座やシンポジウムは公園のあり方を考えていく上で大変貴重な機会になったと認識しております。
今後は講座やシンポジウムで学んだことを踏まえるとともに、松本城南・西外堀の復元や三の丸のまちづくりを見据え、将来的な史跡松本城公園の活用について検討してまいります。
次に、市民の意見を聞く機会の設定についてでございます。
今回、開催した講座が大変内容の充実したものとなりましたので、今後も希望があれば開催するなど話し合いの環境が整った場で意見交換をしてまいりたいと考えております。また、イベント等に対するご意見がある場合には、教育委員会で随時お聞きしてまいります。
松本城公園の活用につきましては、当面の間、松本城公園の史跡としての価値を損なわないことを大前提としながら、個別の事案ごとに開催計画の内容等を確認し、過去の実績や市民の皆様からの評価等も考慮して適切に対応してまいります。したがいまして、性急に明文化した内規をつくることは現在考えておりません。
以上が答弁内容です。
まだ明文化することなく、案件ごとに判断することが示されています。この質問の後に松本城外堀復元が方針転換され、芝生整備となったこともあり、またそのあり方が問われることとなりそうです。市民の誇りである松本城をしっかりと次の世代にも引き継ぐため、課題は山積していますが、財源確保策も含めて今後さらに研究していきたいと思います。
それでは、また明日。
■
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昨日の記事に引き続き、6月議会のご報告です。
6月議会での質問の様子
四賀野球場の件と、ふるさと納税のほかに、松本城に関する質問も行っています。
まず、松本城の入場者数と財政見通しについてです。
今、松本城では石垣修理や天守耐震化、お堀のしゅんせつなど費用のかかる懸案事項が山積しています。
その一方で、松本城の収入源である有料入場者数は、平成28年度81万人であったものが平成29年度に75万人へと減少したということがわかりました。
この原因として次の3点が指摘されています。
・外国人観光客はふえているものの、国内の観光客が減っている
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/miryoku/matsumoto_tourism/seisaku/vision.files/kankouvision.pdf
こちらの観光ビジョン9ページのあたりからもわかる通り、観光客数自体は減少傾向にある。
・大河ドラマ「真田丸」効果の落ち着き
・全国的にお城ブームが下火になってきている
本年度の松本城特別会計当初予算でも、観光客数減による減収を踏まえた予算編成となりました。松本市民の誇りであり、心のよりどころである松本城。多くの課題が山積する中、松本城特別会計の財政見通しはどうなるのでしょうか。
また、国費による補助もあるとは思いますが、これからも私たちの世代で松本城を守り、受け継いでいくためにできることもあります。例えば全国のお城を持つ市では、お城の保存整備費用をインターネットを通じたクラウドファンディングという形で寄附を募ったり、あるいは大阪城公園などのように民間による委託、PFI導入によって事業を実施して、その収益の一部をお城の整備に充てるといったことも事例として挙げられています。今の時代に合った市民、市外の松本城ファンによるお城を守る方法もある中で、松本城特別会計の見通しと、松本城を守っていくための財源確保対策をどのように考えているのか、市の見解を伺いました。
答弁)現在、松本城の維持保全には国庫補助を取り込み、松本城施設整備基金を活用して計画的に事業を行っております。しかしながら、松本城という世界レベルの文化遺産の価値を損なうことなく後世に引き継いでいくためには天守の耐震化、堀のしゅんせつや石垣の修復など大型事業を初め、文化財保護や安全管理の面からも施設の維持管理費や人件費などの経費が増加し、将来的にはさらなる財源確保を検討していく必要があると認識しております。そのため、近い将来には、平成16年度以降では平成23年の消費税関連の改定だけでございまして、抜本的な改定には至っておりませんので、観覧料の見直しも視野に入れながら財源確保を検討していく必要があると考えております。
それに加えまして、明治期から市民の力で松本城を守り続けてきた精神に学び、市民の力はもとより、市外にお住まいの方や企業も含め多くの力を結集し、みんなで松本城を守っていくという形でのご支援などについても検討してまいります。
今後は本年度策定予定の公営企業の経営戦略を踏まえまして、財源確保や特別会計のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
答弁の中では、今後の会計のあり方について見直すことが示されたほか、観覧料の引き上げについても言及されています。たしかに、姫路城などと比べると松本城入場料は低価格に設定されていますが、観光客への影響について、委員会の場でしっかり議論されるようにしたいと思います。
このほか、一昨年中止することとなったビアフェスのその後の対応についても質問しました。
松本城公園内においては、新しく内規を設けることによって、その対策を求めるものとされていました。
30年6月14日付市民タイムスより
答弁)昨年8月に松本城公園におけるイベント開催のあり方について混乱が発生した以降でございますが、混乱の原因となりました内規を廃止し、関係団体との話し合いの場を持つとともに、議会に報告し、ご意見を聞いてまいりました。
それ以降のそば祭りや氷彫フェスティバルでは、イベントの主催者を初め、庁内関係課と連携を密にとりながら具体的な実施内容について検討を重ね、大きな問題はなく実施できたと考えております。
また、イベントのあり方を初め、将来的な松本城公園の活用や史跡保護の観点からも広く市民の意見を聞いていくということの中で、松本城公園の在り方を考える講座を2月から3月に全4回開催し、延べ94人の参加をいただきました。この学習講座では、松本城公園の活用の変遷や松本城及びその周辺の整備計画を学ぶなど、これまでにないまちづくりや都市デザインの観点からの視点も加えた白熱した意見交換をすることができました。
さらに、4月には、松本城公園の在り方を考えるシンポジウムを開催し、49人の参加をいただき、保全とリデザインの方向性をテーマに基調講演とパネルディスカッションを行いました。講座やシンポジウムは公園のあり方を考えていく上で大変貴重な機会になったと認識しております。
今後は講座やシンポジウムで学んだことを踏まえるとともに、松本城南・西外堀の復元や三の丸のまちづくりを見据え、将来的な史跡松本城公園の活用について検討してまいります。
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今回、開催した講座が大変内容の充実したものとなりましたので、今後も希望があれば開催するなど話し合いの環境が整った場で意見交換をしてまいりたいと考えております。また、イベント等に対するご意見がある場合には、教育委員会で随時お聞きしてまいります。
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それでは、また明日。
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Posted by 青木たかし at 12:24│Comments(0)
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