2019年09月18日

新庁舎の現地建て替え配置計画イメージが3案提示される。上空フロア設置案も。9月26日からの市民説明会で意見聴取予定。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日、新庁舎建設特別委員会が開催され、現地建て替えを前提として、3案の新庁舎配置案が示されました。



今後予定されている市民説明会、市民懇話会を通して、幅広く意見を聞きながら成案にしていくとされました。

以下、協議会で示された新庁舎基本計画骨子案です。



基本理念は「時代の先を読み、変化し続ける力を備えた、“ひと”や“まち”を結ぶ庁舎」。
①新市立博物館②中央公民館・Mウイング③ICT人材育成拠点・コワーキングスペースのサザンガクとの連携を図って、この三の丸地区のまちづくりを新庁舎が担うこととしています。新庁舎が果たしてどのような連携とまちづくりに寄与するのか、そのイメージを明確にすることが必要です。

民間シンクタンクから高く評価されたこともあり、環境先進都市として環境に配慮した省エネ庁舎としていくことが盛り込まれました。

本庁舎と東庁舎の間にある市道1095号線については、都市計画道路として道路幅員18mは確保することとされています。ただし、道路上空をまたいだ庁舎建設(立体道路制度)の活用は、各課題のクリアによって可能とのこと。ここは、道路を廃して庁舎を設置して面積を確保するのではないかという見方もありましたが、方針がこのように示されることとなりました。

周辺の歴史的遺産や緑は可能な限り保全し、新庁舎に活用することとしています。



庁舎規模については、次の3パターンを検討されています。

A:現状機能と保健所機能を入れた933人、24,450㎡

B:Aに加え、大手事務所を集約した場合、1,039人、25,760㎡

C:Bに加え、情報政策課・人権男女共生課・スポーツ推進課・労政課を集約した場合、1,097人、26,350㎡

これらのうち、共用部の面積は、ユニバーサルデザインや障害者への合理的配慮を考慮し、松本市独自で国交相基準の1.2倍を確保することとしています。駐車場は250台、駐輪場は600台以上と設定し、これらを踏まえても、現地への建て替えは面積的に可能と判断しているとされました。

具体的な庁舎配置イメージとして、次の3つが示されています。

◯2棟構成案
基本的には今と同じパターン。利便性・機能性は従来通りだが、渡り廊下を工夫する余地はある。コストは標準的。

◯3棟構成案(議会別棟)
2棟構成案の状況に加え、議会の独立性が保たれるが、利便性・機能性に劣る。建設費は上昇。

◯1棟構成案
道路の上空に庁舎を建て、フロアを整備する。景観に対しても柔軟な対応ができるが、工期が長くなり、建設費が5〜7%程度上昇する。

以上、いずれの案においても、南側に立体駐車場を整備することとしている。



現庁舎の場所は揺れやすさ、浸水ともにリスクのある場所であるが、新庁舎では災害対策本部の機能と業務継続性の観点から、免震構造を採用する。これは、建物に直接揺れを伝えない構造であるが、建設費がかさむこととなる。


基本設計の段階で平面計画・階層計画や、高さ・配置・色彩・自然素材の活用、夜間景観創出など、景観についても検討する。

周辺民地の地権者交渉の進捗としては、鋭意各宅に訪問して話をしていて、全ての地権者に土地測量、保証算定に同意を得ており、一部調査に入っているとのこと。

今後、9月26日から市民意見聴取を行うこととなっているため、多くの皆様にご参加いただければ幸いです。詳細はこちらの画像をご覧ください。



これらの市民意見を参考としながら、11月を目途に基本計画案を作成し、この新庁舎建設特別委員会に諮られるとのこと。この段階において、新庁舎整備事業スキーム、概算事業費、令和7年度とされていた事業スケジュールの見直しについても盛り込まれるようです。

質疑応答の中では、保健所を新庁舎の中に入れることについて再考を求める意見も出されており、今後精査が必要と感じています。

今回のパターンの描かれ方を見ると、立体道路制度を活用した上空フロアパターンがベターと取れる内容だと個人的には感じましたが、この上空フロア構造や免震構造、保健所の整備と建設時の仮庁舎の設定もあわせて、どの程度の事業費がかかるのかが懸念されます。

私はそもそも、これまでの経過において現地建て替えに反対の立場をとっていましたが、賛成多数で了承となっていることから、まずは現地建て替えとして最善の策を研究しながら、半年後に迫る市長選などの機会を注視していきたいと思います。



それでは、また明日。  


Posted by 青木たかし at 15:29Comments(0)市庁舎・建て替え

2019年09月18日

年間2000万円、累積2億円を超える経営赤字の四賀有機センター、ついに廃止へと方針転換。

こんばんは、松本市議会議員の青木たかしです。

常任委員会の審査が終わり、今日から特別委員会の審査が始まっています。



今回の委員会審査で、ひとつ大きな転換となったのが、こちらの記事の四賀有機センター廃止方針です。


9月14日付け市民タイムス

この問題については議会としても提言書が出されており、私も一般質問で廃止を提言していましたが、それらの詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。


廃止理由や現状について起債されている協議会の際の資料はこちらです。



月末の決算特別委員会においても、早い段階での廃止につながるよう意見を出したいと思います。

以下、最近の活動と、一般質問3日目に引き出された記事を添付し、今日の記事を終わりとします。




  


Posted by 青木たかし at 00:36Comments(0)一般質問・委員会質問

2019年09月16日

長野市議選が終了し、グレート無茶氏が覆面レスラー議員としてトップ当選を果たす。投票率は過去最低の40%に。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

昨晩、長野市議選の投開票が行われ、39名の当選議員が確定しました。今回の長野市議選では、松本市議選でもテーマとされた少子高齢化・待機児童・交通対策等が争点として各候補者に掲げられたとのこと。

長野市議選選挙公報
https://go2senkyo-com-production-1.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/public/senkyo_koho/19315/長野市議_compressed.pdf

松本市議選は2019年、2015年の選挙ともに、31人の定数に42人の激戦となった一方で、4年前には2人の定数オーバーにとどまっていた長野市議選。今回は39人定数に52人が出馬する激戦となりました。さらに、告示3日前に仮面プロレスラーのグレート無茶さんも出馬を表明(2013年市議選補選の時に次点で落選されていた)され、浮動票の行方が注目されていました。開票してみると、6,000票を超える得票でトップ当選されています。



こちらの記事ではグレート無茶さんのことが詳しく書かれています。
覆面レスラー「議会に新風」信州プロレス代表・グレート無茶氏、長野市議選トップ当選 - 毎日新聞 https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190916/k00/00m/010/102000c

長野新市議 39人が決まる 投票率最低40・31% https://www.sankei.com/politics/news/190916/plt1909160004-n1.html @Sankei_newsさんから

松本市は43%であった投票率でしたが、長野市議選ではさらに低い40%という過去最低の結果となっており、どこでもこの低投票率は共通の課題となっています。今年の総務委員会では、投票環境整備をテーマとして設定し、視察・調査を進めています。先日、筑北村では投票所が車で移動する移動投票所を導入することが新聞でも報じられていますが、松本のあり方についても現在整理しているところです。

開票結果
https://www.city.nagano.nagano.jp/senkyo/01shigi-k09.pdf

ちなみに松本市議会議員選挙の開票結果はこちらです。
2019年04月21日投票 | 長野県松本市 | 選挙ドットコム https://go2senkyo.com/local/senkyo/18685

個人的には、残念ながら唯一の20代の男性候補や30代の女性候補が落選されていたことと、7月の参院選において長野市内で4,000票以上獲得していたN国党が、1,135票にとどまって落選していることが印象的な選挙となりました。

今回の長野市議選を踏まえ、改めて低投票率への危機感を認識するとともに、あたらしい時代の選挙のあり方や、有権者へのアプローチの仕方について考えさせられました。  
タグ :長野市議選


Posted by 青木たかし at 23:42Comments(0)選挙

2019年09月11日

9月定例会一般質問終了。待機児童対策や観光振興等について議論されました。市長は来年3月の進退を明言せず。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日、9月定例会一般質問が終わりました。私は今回登壇することができませんでしたが、月末から始まる決算特別委員会の委員を務めることとなり、鋭意準備に取り組んでいるところです。





この時期は敬老会、運動会などの行事も目白押しとなっています。


9月10日付け市民タイムスです。私の所属する会派開明のみなさんの質問事項も記事になっています。私は今回、川久保議員の質問補助者として、エアコン設置の特例交付金の問題を補佐しています。

以下は9月11日付け市民タイムスです。




こちらの記事にあるとおり、さまざまな答弁が今定例会でも引き出されています。

市長の市長選進退表明の件や待機児童数など、詳しくは各記事をご覧ください。

明日は総務委員会があり、その準備もあるので今日はここまでとします。

それでは、また明日。  


Posted by 青木たかし at 23:33Comments(0)一般質問・委員会質問

2019年09月03日

活動レポートvol.10

二期目当選後初の発行チラシです。両面のPDFについては画像下からダウンロードしてください。


%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B710.pdf (PDF: 605.46KB)  


Posted by 青木たかし at 22:38Comments(0)過去のチラシ

2019年09月03日

中核市移行は「手段」であり、それによって何をしたいのかが重要に。移行による効果など、特別委員会の視察報告

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日から9月定例会が開会となりました。議会では、今月から統一タブレットを導入し、実際に議場で全議員がタブレットを使って議案書と決算資料を確認しました。



まだまだ使いこなせない面もありますが、来年2月定例会での完全ペーパーレス化を目指して、議会全体で取り組んでいきます。



先日、中核市移行特別委員会として山形市・川口市に視察に行きましたので、その報告書を添付します。

移行するメリットがわかりにくい中、実際に相談件数が増えていたり、県で行っていたときよりもきめ細かな対応が出来ているという事例もお聞きすることができました。庁舎内に保健所を整備するメリットも確認する一方、二段階設置によってかかる初期経費や関係団体との連携のあり方を検証し、改めて「松本市は中核市に移行して何をしたいのか」を確認することが必要であると感じています。

以下、報告書とその内容です。

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1 山形市中核市移行行政視察について

中核市移行の人口要件緩和により、山形市では平成27年2月から検討が本格化した。多様化する行政ニーズや人口減少・高齢化という課題に対応するため、市民福祉の向上と魅力あるまちづくり、県域のリーダー的役割を移行の目的と位置付けている。また、山形市最上位計画である「山形市発展計画」が都市ブランド「健康医療先進都市」の確立を目指しており、その実現に向けた基盤づくりとしてもこの移行を位置付けている。
中核市移行の最大のメリットは県からの権限移譲であり、その他以下の5点を挙げているが、市民向けにその効果・メリットを伝えるのは難しい。

・保健衛生業務のパワーアップ
健康課・保健センター業務と保健所業務の一元化による
・市民サービスのレベルアップ
拠点都市として知名度・存在感が上がり、リーダー的都市として新たな広域連携の手法が広がる
・都市のイメージアップ
・事務手続きのスピードアップ
・行政の透明性アップ
包括外部監査制度の義務化により、行政の透明性がより一層高められる

この4月に中核市移行を果たしたが、精神障害者手帳交付事務について、かかる期間を短縮したという実績はあるが、メリットを実感するのはもう少し先になるという。移行は目的ではなく手段であり、移行後に市民サービス向上のためにどんな取り組みができたかを見ていて欲しいと市民には説明をしているということだった。

移行に伴う組織については組織移行の見直しとして、職員数は91名と算定していた。一番大きいのは保健所業務の要員で、県がどれくらいの人数で該当業務を行なっていたかを基に、山形市のケースに落とし込んで算出している。中核市推進本部・関係部長会議・幹事会・専門部会の4組織で全庁をあげて推進してきた。

保健所関連施設以外に整備した施設はない。食肉衛生検査施設は、市域内にと畜場がある保健所設置自治体が設置することが法律で義務付けられている。ただし、市域内のみならず、県内から持ち込まれるため、1自治体が取り組む事務として適切かどうかは疑問が残る。

全国にある中核市のうち、全体の3分の1程度しか食肉衛生検査業務は取り組んでいない。山形県がもっていた検査所を、施設・部品含めて有償譲渡されたという経過がある。

専門職員のうち、獣医師の確保を特に大きな課題としていた。18名が必要で、県の協力なしにはできないが、市職員の確保も安定化する必要があることから、山形市獣医師職員確保プランを策定した。今のところは計画通りに進んでいる。

市立病院をもっているが、行政職としての薬剤師は初めての採用となる。令和元年度は、主体的に業務を担っている他、山形県からも職員を派遣してもらい、指導や育成についても協力を仰いでいる。

人材確保含め、県の協力体制を得るということが最大の課題であった。中核市移行の要件を満たしているのが県内で山形市のみであり、移行に関わるノウハウも持ち合わせていなかった。権限委譲が進んでいない県とされていたが、県と協力体制を整えることに時間を要した。県の協力体制なしには市の負担を軽減させることはできない。

山形県の決算額をベースとした中核市移行に伴う経費は、基準財政需要額の増加が見込まれたことで、年度で変動はあるが、5,500万円余りの余剰発生という試算となった。令和元年度における予算は5,500万円とはいかないが、800万円の余剰発生となったことから、黒字化という試算に間違いはなかった。
ただし、8億円に上るイニシャルコストが発生しており、これについては影響額に反映されていない。このイニシャルコストを影響額の中でどのように捉えていくかは視点による。

市民理解を得て、市全体で盛り上げて、まちづくり意識の向上につなげることを重視して、丁寧な市民周知・説明に取り組まれている。先行他市に比べてもその点に自負があるということだった。

市報への掲載、ホームページへの記載から始めて、住民説明会を14回で計216名、出前講座を13回で計400名を対象に開催した。
ここで出された質問は、中核市移行のメリットや効果は何かということが多く、動物愛護の関係や、税金が上がることはないかという質問もあったとのこと。

松本市と比べて多くの市民が参加されているように感じるが、市報での告知や、公民館でポスター・チラシを自作しての告知で集め、1会場10〜30人が集まったという。

その他、15分間の市政広報番組、コミュニティラジオでも計12回中核市移行については広報し、ポスター、懸垂幕、のぼりやイベントでのブース設置によるPRも取り組んだ。中核市移行のメリットが全市民に直接的にあるというわけではなく、そこまで注目をされなかったということだったが、これを克服するために数多くこなすことを意識していたということであり、松本市でも市民への丁寧な説明を果たしていく上で参考としたい。

中核市移行を単なる権限委譲にとどめることはやめようということで、山形市として特徴的な施策に取り組めるよう、各担当課から知恵を絞ってもらったという。以下に挙げるものは、県による事業実施との違いを持たせた事業としていて、他市と比べて先行しているわけではないとのお話もあった。

・保健衛生行政の一元化
健康課と保健センターを市保健所の組織として統合・再編し、保健衛生に係る市民サービスを一体的に提供する体制の構築による「健康医療先進都市」の具現化推進

・福祉事務の手続きに必要となる社会福祉審議会設置による地域福祉の市施策の反映や、社会福祉における許認可、指導監査体制の構築

・高齢者福祉と住宅施策の連携強化
高齢者の実情に即した住宅施策に取り組むため、住生活基本計画を作ることとなり、最上位の住宅政策計画を来年度までに策定すると決めている。

・大気汚染常時監視システムの構築
大気汚染の分析をしてホームページに迅速にアップする体制を構築中。

・独自教材による教職員研修の実施
これまで地域ごとの特色を生み出すことが難しかった教育分野において、山形市独自で山形市の歴史・文化や市の魅力を子どもたちに伝えられるようにする取り組みで、山形市独自教材を準備しているところ

・産廃関連業務の一元化
県警察OBを迎えて対応にあたっている。

・高齢者雇用対策

・動物愛護施策の推進

以上。

保健所は今年4月1日に業務スタートしたばかりだが、従前本庁舎内にあった健康課と保健センターを市保健所の組織として統合・再編することにより、母子保健から健康づくり、医療、生活衛生を含めた総合的な保健衛生行政を市保健所が一体的に実施することとした。保健所が担う専門的な業務と山形市がこれまで担ってきた業務を市保健所に集約して、併せて実施することにより、保健衛生行政全体をパワーアップさせることを目指した。

霞城セントラルという官民複合ビルの中で、3、4階に保健所を設置しているが、の設置事業費に計2億2百万円の改修費用を計上することとなった。

官民複合ビルには、アンモニアや塩酸などの有害物質を扱う検査施設を作ること自体が困難であったことから、該当施設は自前では持っていない。独自の検査体制を構築するまでの間は、主に山形県に委託をすることとしている。村山保健所が車で3分のところにあるため、立地面でも大きな問題はないようだ。

2年間で保健所設置に至るまで、総計2億5千万円ほどの経費がかかった。そのうち、オンラインシステムの改修経費が最も大きい割合を占めている。

また、山形市の特徴的施策は、健康医療先進都市という都市ブランド確立を目指そうとしていることにあり、SUKSK生活(食事・運動・休養・社会・禁煙の頭文字をとったもの)の推進運動を展開したり、住民の健康データを科学的に分析し、住民に説明をして、改善の取り組みを促す取り組みも検討している。今年度は減塩・禁煙・口腔衛生対策・腹部肥満に保健所内のシンクタンクとして取り組むこととしている。

動物愛護センターは、保健所から車で20分離れたところに設置した。鳴き声や臭いの問題から市の郊外に設置している。動物愛護精神と適正飼育の普及啓発を行う拠点施設と位置づけ、県内では初のセンター開設となる。中核市で設置されているものの中では最大級となる。設置にはおよそ4億1700万円の経費を要した。

食肉衛生検査所の主な業は、と畜検査業務・衛生指導ならびに衛生監視・食肉輸出の業務・食肉検査データ還元である。これまで県の検査所で行なっていたものを、県から施設を有償で譲り受けた。動物愛護センターの近くに設置されている。

市の郊外に設置されている。
2,504平方メートル
土地建物
古い建物
土地建物で6400万円
備品255万円 103品目 残存価格で買い取らされたようなもの

当初無償譲渡で交渉していたものの、適正価格による有償譲渡ということとなり、必要備品の一部も自前で揃えることとなった。県との連携の重要性について、改めて認識させられた。

県から支援を受ける上で、獣医師は県も不足していることから、その確保と人材育成が大きな課題となっている。

住民に対する周知活動の上で、具体的なメリットは何かということを必ず聞かれるというのはどこの自治体も共通している。山形市では、県の行政区域よりも小さくなるので、情報共有・政策判断は間違いなく早くなることから、きめ細かな対応ができることは実感しているようだった。また、連携中枢都市圏形成を見据えた移行となっている。人口減少社会において、移行によって新たな対策を考える手段が増えることとなる。権限を移譲して、山形市の課題を発見し、どう解決していくかを考えることであり、中核市移行は目的ではなく手段であるということだった。市民に対しては、移行後、市民サービス向上につながるよう尽力すると説明をしてきたという。

コストもかかることであり、松本市においても、中核市に移行して何をやりたいのかということを明確にして、連携中枢都市圏形成の取り組みや市民周知、庁舎内への保健所設置を考える必要がある。




2 川口市中核市移行行政視察について

平成26年2月10日、中核市移行を市長が表明し、「市民の視点に立ったサービスの提供や個性あるまちづくりを推進する」と掲げた。平成30年4月を中核市移行の目標期日として、議会は都市機能・新庁舎建設特別委員会に説明・報告を行い、目標通り移行するに至った。

中核市移行の目的及びメリットは、

・行政サービスのスピードアップ
・きめ細やかな行政サービスの提供
これまでより敷居が低くなったことで、相談業務が県業務のときより増加している。
・市独自の取り組み
市が市域の状況や課題を把握し、地域の実情にあわせた条例、計画など施策を展開できる。

ということである。福祉部は7課体制に追加して福祉監査課を設置。従来の健康増進部を保健部として、直下に保健所を設置した。環境部は資源循環課、産業廃棄物対策課を設置した。移行に向けて28年度から30年度にかけて職員を100名増員した。専門職採用は、立地や人口から、公衆衛生医師以外は確保に苦慮しなかったという。

派遣研修を埼玉県にて計54名行っており、さいたま市、越谷市にも派遣している。移行後の円滑な業務のため、人材育成支援を県に依頼し、21名を育成支援にあててもらっている。埼玉県との連絡調整は計11回行ったということだった。

移行に伴う経費については、施設整備の補助金は整備計画、過去の実績を鑑みて積算し、新たな施策を予算化した結果、歳入、歳出同額の22億3800万円となった。実績額からも、赤字とはなっていない。川口市の場合、イニシャルコストである保健所施設整備費を減価償却として、10年間分割して計上した上での試算となっており、各自治体によって財政影響額の捉え方・考え方が異なっている。松本市においても、二段階設置とする保健所のイニシャルコストをどのように財政影響額として捉えるかが今後検証すべき点である。

市民意識調査では、中核市移行を44%が知っているまたは聞いたことがあるとしており、中核市に移行するという認識自体が低いことがわかった。周知状況の推移では、28年に比べ、29年は若干知っているが伸びたものの、意識醸成を図ることがどこの自治体でも課題となっている。

市の特徴的な施策として、まず県からの移譲事務の充実が考えられる。川口市では、食品衛生監視指導及び感染症対応の強化し、飲食店への立ち入り検査回数を年1100件から1600件へ増やす、特別養護老人ホーム整備促進として、設備の市内調達に関わる補助制度を拡充する、土砂体積に関する規制を強化するなど、政策的な取り組みが見られる。

そして、中核市移行を契機に実施する新規拡充事業としては、胃がん検診の助成対象に胃内視鏡検査を追加、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用助成制度の創設、市内医療機関マップの作成など、市民や関係者から好評の事業もいくつか見受けられた。

保健所開設については、松本市と同じように県施設を借用して設置をしている。相談業務が保健センター時は1000件だったものが、保健所が入ってから5000件を超えているため、職員も増員した。 医療安全相談については年間150件だったものが540件の相談と増えている。
このことからも、中核市移行によるきめ細かな対応という効果を実感しているということだった。いかにハードルの低い身近な窓口として整備し、市民周知をすることができるかが、移行後の成果を判断する上で重要である。

今後、新庁舎建設を控えており、鳩ヶ谷庁舎から該当部署が引越しをした際には、改修して保健所が入ることとなっている。

また、松本市でも問題となっている野良猫対策の相談が非常に多いとのこと。臭いと鳴き声の対策で、動物管理施設は規模に比べて整備費が多くかかるようになるという。

保健所設置にあたっては、三師会に対しては説明会と講演会を実施した。また、鳩ヶ谷庁舎移行後には、関係団体を含めて整備することも検討しているという。八戸市でも同様の整備方針が示されており、松本市では旧合同庁舎跡地に医師会館が整備されることとなるが、その連携のあり方や残地の活用についても検証することが求められる。

川口市においては、相談件数増という具体的な数値によって、移行メリットを感じられているようである。「市民に身近となる」という一般的に言われる移行効果を判断できる成果指標を用意し、具体的成果をあげられる整備とすることが必要である。松本市は影響額試算の上では財政負担を伴うこととなるため、その実績額を注視するとともに、二段階設置時のイニシャルコストの扱いや費用縮減を精査していくことが求められる。


  


Posted by 青木たかし at 00:11Comments(0)活動報告視察・研修中核市