2020年07月13日

【動画】中核市を目指す理由、メリットは?税金や町会負担は増えないか?

こんばんは、松本市議会議員の青木たかしです。

今週末は、松本市が令和3年度4月1日より移行することを目指している中核市について、2本に分けてお話ししました。中核市の概要や目指す目的、変わること、課題について、一通り触れていますのでぜひご覧下さい。

プレミアム商品券の申込みは、15日必着ですのでお忘れなく!




  

Posted by 青木たかし at 00:18Comments(0)中核市

2020年03月11日

【動画】2月議会閉会日、現時点での中核市移行申出議案に反対した意見表明。新市長には、この議論経過を踏まえた手続きを。

こんばんは、松本市議会議員の青木たかしです。

2月定例会が閉会し、当初予算案が可決されました。今回は市長選前であるため、骨格予算と行って政策的な経費は計上されていません。そして、今回の重要案件のひとつが、中核市移行を総務省に申し出する議案でした。



市長選告示を翌々日に控えた閉会日。食肉処理施設の懸念がある中で、新市長体制で判断しても良かったのではないかと思っています。閉会日には、会派開明8人を含め、12人が議案に反対しましたが、多数決で可決され、現体制のもとで中核市移行手続きが進められることとなります。

以下、動画ですが、スマホやタブレットでも再生できます。



こちらが実際の動画です。
〇議案に反対する意見表明
3:30〜9:00
〇該当議案の採決の様子
18:15〜

以下、読み上げた原稿です。


〜〜〜〜〜

議案第66号「中核市の指定に係る申出について」に対して、反対の立場から意見を申し上げます。

まず、本議案への態度表明についてですが、私の立場は中核市移行自体に反対するものではないということをあらかじめ申し上げます。

市内にと畜場を持つ自治体は、中核市に移行する際には、食肉衛生検査所を設置することとされています。

松本市は島内にと畜場を有していることから、この食肉衛生検査所をもつこととなり、獣医師を新規採用する、あるいは県からの派遣を受けるとともに、市として施設改修等を行うこととしています。

県内の中核市である長野市は、このと畜場を市内に有していません。また、佐久市にと畜場がありますが、佐久市は中核市ではないため、県内の自治体で食肉衛生検査所を管理することになるのは松本市だけとなります。

そして、その他の中核市に移行した自治体と松本市が違う点は、市内にあると畜場を経営する食肉公社が、一昨年末から移転・統合方針を検討していることと、県として、食肉流通合理化計画の早期策定を目指していることです。

中信地区唯一の民間の食肉処理施設を運営する長野県食肉公社は、2018年12月18日までに、島内にある工場を移転して県内の他社の処理施設と統合する方向で関係機関と検討していく方針を固めています。県に協議する場の設置を求めたことから、県は関係者を集めた検討会を設置し、県内処理施設の将来展望を示す食肉流通合理化計画の策定を進めています。
この合理化計画ですが、県の園芸畜産課担当者に確認したところ、本来であれば今年度中に策定されるものが、豚熱の発生によってスケジュールが遅れているものの、来年度早期には示されることになるだろうとの見方が示されています。

食肉処理施設の再編には、県畜産振興全体の中での調整が不可欠であり、市としては、これまでに県のリーダーシップ発揮を強く求めており、当然、この合理化計画において個別施設の配置についても言及することを求めていると、昨日の中核市移行特別委員会の質疑でも確認しています。

そして、島内のと畜場は、建物のコンクリートの法定耐用年数をすでに経過していること、耐震化が未実施であること、そして地元との覚え書きによって、建て替えや改築ができないことから、今後移転の可能性が高いと推測されます。

・懸念点
私が懸念しているのは、この合理化計画が、市の求めている通り、個別施設の配置のあり方まで言及されたものとして策定され、可能性が高いと見込まれる市外移転とする方針が新年度早期に示される場合です。

・想定されるリスク
今定例会において移行申し出議案を可決したことで、専門職である獣医師採用や、県からの派遣費用、これは、地方自治法に基づく派遣により、人件費は市が持つこととなります。これらが、不要になってしまう可能性があるということです。

・まとめ
冒頭申し上げたとおり、中核市移行に反対するものではありません。中核市移行については、その課題と共に、メリットも理解できます。約2,500の事務が県から移譲され、健康福祉施策や産廃関連事務など、市民に身近な行政が期待されるところです。また、連携中枢都市圏を形成することで、人口減少に立ち向かうためのリーダーシップを取ること、そして、地方分権が推進されることも期待できます。そのため、当初予算案には賛成いたします。
しかし、食肉処理施設の個別配置のあり方を示すことを市として求めている立場からも、これまで申し上げた懸念が推測できます。
ここに至るまで、保健所業務等については特別委員会でも協議を続けて参りましたが、この食肉衛生検査所のあり方や方向性については、議論がこれまでに深められていません。

昨日示されたスケジュールを見ると、県議会で移行申出の同意議案が諮られるのは来年度6月定例会とされています。
食肉処理施設のあり方が新年度早期に示されることで、不要な経費を支出することのないよう、合理化計画策定の推移や方向性を市として注視し、その結果を待ってからの判断をすることを求めます。

以上、当初予算案には反対せず、申出議案に反対することとし、意見表明といたします。


〜〜〜









以下、松本城に関する意識調査です。ご協力をお願いいたします。


  


Posted by 青木たかし at 23:56Comments(0)中核市

2019年09月03日

中核市移行は「手段」であり、それによって何をしたいのかが重要に。移行による効果など、特別委員会の視察報告

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日から9月定例会が開会となりました。議会では、今月から統一タブレットを導入し、実際に議場で全議員がタブレットを使って議案書と決算資料を確認しました。



まだまだ使いこなせない面もありますが、来年2月定例会での完全ペーパーレス化を目指して、議会全体で取り組んでいきます。



先日、中核市移行特別委員会として山形市・川口市に視察に行きましたので、その報告書を添付します。

移行するメリットがわかりにくい中、実際に相談件数が増えていたり、県で行っていたときよりもきめ細かな対応が出来ているという事例もお聞きすることができました。庁舎内に保健所を整備するメリットも確認する一方、二段階設置によってかかる初期経費や関係団体との連携のあり方を検証し、改めて「松本市は中核市に移行して何をしたいのか」を確認することが必要であると感じています。

以下、報告書とその内容です。

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1 山形市中核市移行行政視察について

中核市移行の人口要件緩和により、山形市では平成27年2月から検討が本格化した。多様化する行政ニーズや人口減少・高齢化という課題に対応するため、市民福祉の向上と魅力あるまちづくり、県域のリーダー的役割を移行の目的と位置付けている。また、山形市最上位計画である「山形市発展計画」が都市ブランド「健康医療先進都市」の確立を目指しており、その実現に向けた基盤づくりとしてもこの移行を位置付けている。
中核市移行の最大のメリットは県からの権限移譲であり、その他以下の5点を挙げているが、市民向けにその効果・メリットを伝えるのは難しい。

・保健衛生業務のパワーアップ
健康課・保健センター業務と保健所業務の一元化による
・市民サービスのレベルアップ
拠点都市として知名度・存在感が上がり、リーダー的都市として新たな広域連携の手法が広がる
・都市のイメージアップ
・事務手続きのスピードアップ
・行政の透明性アップ
包括外部監査制度の義務化により、行政の透明性がより一層高められる

この4月に中核市移行を果たしたが、精神障害者手帳交付事務について、かかる期間を短縮したという実績はあるが、メリットを実感するのはもう少し先になるという。移行は目的ではなく手段であり、移行後に市民サービス向上のためにどんな取り組みができたかを見ていて欲しいと市民には説明をしているということだった。

移行に伴う組織については組織移行の見直しとして、職員数は91名と算定していた。一番大きいのは保健所業務の要員で、県がどれくらいの人数で該当業務を行なっていたかを基に、山形市のケースに落とし込んで算出している。中核市推進本部・関係部長会議・幹事会・専門部会の4組織で全庁をあげて推進してきた。

保健所関連施設以外に整備した施設はない。食肉衛生検査施設は、市域内にと畜場がある保健所設置自治体が設置することが法律で義務付けられている。ただし、市域内のみならず、県内から持ち込まれるため、1自治体が取り組む事務として適切かどうかは疑問が残る。

全国にある中核市のうち、全体の3分の1程度しか食肉衛生検査業務は取り組んでいない。山形県がもっていた検査所を、施設・部品含めて有償譲渡されたという経過がある。

専門職員のうち、獣医師の確保を特に大きな課題としていた。18名が必要で、県の協力なしにはできないが、市職員の確保も安定化する必要があることから、山形市獣医師職員確保プランを策定した。今のところは計画通りに進んでいる。

市立病院をもっているが、行政職としての薬剤師は初めての採用となる。令和元年度は、主体的に業務を担っている他、山形県からも職員を派遣してもらい、指導や育成についても協力を仰いでいる。

人材確保含め、県の協力体制を得るということが最大の課題であった。中核市移行の要件を満たしているのが県内で山形市のみであり、移行に関わるノウハウも持ち合わせていなかった。権限委譲が進んでいない県とされていたが、県と協力体制を整えることに時間を要した。県の協力体制なしには市の負担を軽減させることはできない。

山形県の決算額をベースとした中核市移行に伴う経費は、基準財政需要額の増加が見込まれたことで、年度で変動はあるが、5,500万円余りの余剰発生という試算となった。令和元年度における予算は5,500万円とはいかないが、800万円の余剰発生となったことから、黒字化という試算に間違いはなかった。
ただし、8億円に上るイニシャルコストが発生しており、これについては影響額に反映されていない。このイニシャルコストを影響額の中でどのように捉えていくかは視点による。

市民理解を得て、市全体で盛り上げて、まちづくり意識の向上につなげることを重視して、丁寧な市民周知・説明に取り組まれている。先行他市に比べてもその点に自負があるということだった。

市報への掲載、ホームページへの記載から始めて、住民説明会を14回で計216名、出前講座を13回で計400名を対象に開催した。
ここで出された質問は、中核市移行のメリットや効果は何かということが多く、動物愛護の関係や、税金が上がることはないかという質問もあったとのこと。

松本市と比べて多くの市民が参加されているように感じるが、市報での告知や、公民館でポスター・チラシを自作しての告知で集め、1会場10〜30人が集まったという。

その他、15分間の市政広報番組、コミュニティラジオでも計12回中核市移行については広報し、ポスター、懸垂幕、のぼりやイベントでのブース設置によるPRも取り組んだ。中核市移行のメリットが全市民に直接的にあるというわけではなく、そこまで注目をされなかったということだったが、これを克服するために数多くこなすことを意識していたということであり、松本市でも市民への丁寧な説明を果たしていく上で参考としたい。

中核市移行を単なる権限委譲にとどめることはやめようということで、山形市として特徴的な施策に取り組めるよう、各担当課から知恵を絞ってもらったという。以下に挙げるものは、県による事業実施との違いを持たせた事業としていて、他市と比べて先行しているわけではないとのお話もあった。

・保健衛生行政の一元化
健康課と保健センターを市保健所の組織として統合・再編し、保健衛生に係る市民サービスを一体的に提供する体制の構築による「健康医療先進都市」の具現化推進

・福祉事務の手続きに必要となる社会福祉審議会設置による地域福祉の市施策の反映や、社会福祉における許認可、指導監査体制の構築

・高齢者福祉と住宅施策の連携強化
高齢者の実情に即した住宅施策に取り組むため、住生活基本計画を作ることとなり、最上位の住宅政策計画を来年度までに策定すると決めている。

・大気汚染常時監視システムの構築
大気汚染の分析をしてホームページに迅速にアップする体制を構築中。

・独自教材による教職員研修の実施
これまで地域ごとの特色を生み出すことが難しかった教育分野において、山形市独自で山形市の歴史・文化や市の魅力を子どもたちに伝えられるようにする取り組みで、山形市独自教材を準備しているところ

・産廃関連業務の一元化
県警察OBを迎えて対応にあたっている。

・高齢者雇用対策

・動物愛護施策の推進

以上。

保健所は今年4月1日に業務スタートしたばかりだが、従前本庁舎内にあった健康課と保健センターを市保健所の組織として統合・再編することにより、母子保健から健康づくり、医療、生活衛生を含めた総合的な保健衛生行政を市保健所が一体的に実施することとした。保健所が担う専門的な業務と山形市がこれまで担ってきた業務を市保健所に集約して、併せて実施することにより、保健衛生行政全体をパワーアップさせることを目指した。

霞城セントラルという官民複合ビルの中で、3、4階に保健所を設置しているが、の設置事業費に計2億2百万円の改修費用を計上することとなった。

官民複合ビルには、アンモニアや塩酸などの有害物質を扱う検査施設を作ること自体が困難であったことから、該当施設は自前では持っていない。独自の検査体制を構築するまでの間は、主に山形県に委託をすることとしている。村山保健所が車で3分のところにあるため、立地面でも大きな問題はないようだ。

2年間で保健所設置に至るまで、総計2億5千万円ほどの経費がかかった。そのうち、オンラインシステムの改修経費が最も大きい割合を占めている。

また、山形市の特徴的施策は、健康医療先進都市という都市ブランド確立を目指そうとしていることにあり、SUKSK生活(食事・運動・休養・社会・禁煙の頭文字をとったもの)の推進運動を展開したり、住民の健康データを科学的に分析し、住民に説明をして、改善の取り組みを促す取り組みも検討している。今年度は減塩・禁煙・口腔衛生対策・腹部肥満に保健所内のシンクタンクとして取り組むこととしている。

動物愛護センターは、保健所から車で20分離れたところに設置した。鳴き声や臭いの問題から市の郊外に設置している。動物愛護精神と適正飼育の普及啓発を行う拠点施設と位置づけ、県内では初のセンター開設となる。中核市で設置されているものの中では最大級となる。設置にはおよそ4億1700万円の経費を要した。

食肉衛生検査所の主な業は、と畜検査業務・衛生指導ならびに衛生監視・食肉輸出の業務・食肉検査データ還元である。これまで県の検査所で行なっていたものを、県から施設を有償で譲り受けた。動物愛護センターの近くに設置されている。

市の郊外に設置されている。
2,504平方メートル
土地建物
古い建物
土地建物で6400万円
備品255万円 103品目 残存価格で買い取らされたようなもの

当初無償譲渡で交渉していたものの、適正価格による有償譲渡ということとなり、必要備品の一部も自前で揃えることとなった。県との連携の重要性について、改めて認識させられた。

県から支援を受ける上で、獣医師は県も不足していることから、その確保と人材育成が大きな課題となっている。

住民に対する周知活動の上で、具体的なメリットは何かということを必ず聞かれるというのはどこの自治体も共通している。山形市では、県の行政区域よりも小さくなるので、情報共有・政策判断は間違いなく早くなることから、きめ細かな対応ができることは実感しているようだった。また、連携中枢都市圏形成を見据えた移行となっている。人口減少社会において、移行によって新たな対策を考える手段が増えることとなる。権限を移譲して、山形市の課題を発見し、どう解決していくかを考えることであり、中核市移行は目的ではなく手段であるということだった。市民に対しては、移行後、市民サービス向上につながるよう尽力すると説明をしてきたという。

コストもかかることであり、松本市においても、中核市に移行して何をやりたいのかということを明確にして、連携中枢都市圏形成の取り組みや市民周知、庁舎内への保健所設置を考える必要がある。




2 川口市中核市移行行政視察について

平成26年2月10日、中核市移行を市長が表明し、「市民の視点に立ったサービスの提供や個性あるまちづくりを推進する」と掲げた。平成30年4月を中核市移行の目標期日として、議会は都市機能・新庁舎建設特別委員会に説明・報告を行い、目標通り移行するに至った。

中核市移行の目的及びメリットは、

・行政サービスのスピードアップ
・きめ細やかな行政サービスの提供
これまでより敷居が低くなったことで、相談業務が県業務のときより増加している。
・市独自の取り組み
市が市域の状況や課題を把握し、地域の実情にあわせた条例、計画など施策を展開できる。

ということである。福祉部は7課体制に追加して福祉監査課を設置。従来の健康増進部を保健部として、直下に保健所を設置した。環境部は資源循環課、産業廃棄物対策課を設置した。移行に向けて28年度から30年度にかけて職員を100名増員した。専門職採用は、立地や人口から、公衆衛生医師以外は確保に苦慮しなかったという。

派遣研修を埼玉県にて計54名行っており、さいたま市、越谷市にも派遣している。移行後の円滑な業務のため、人材育成支援を県に依頼し、21名を育成支援にあててもらっている。埼玉県との連絡調整は計11回行ったということだった。

移行に伴う経費については、施設整備の補助金は整備計画、過去の実績を鑑みて積算し、新たな施策を予算化した結果、歳入、歳出同額の22億3800万円となった。実績額からも、赤字とはなっていない。川口市の場合、イニシャルコストである保健所施設整備費を減価償却として、10年間分割して計上した上での試算となっており、各自治体によって財政影響額の捉え方・考え方が異なっている。松本市においても、二段階設置とする保健所のイニシャルコストをどのように財政影響額として捉えるかが今後検証すべき点である。

市民意識調査では、中核市移行を44%が知っているまたは聞いたことがあるとしており、中核市に移行するという認識自体が低いことがわかった。周知状況の推移では、28年に比べ、29年は若干知っているが伸びたものの、意識醸成を図ることがどこの自治体でも課題となっている。

市の特徴的な施策として、まず県からの移譲事務の充実が考えられる。川口市では、食品衛生監視指導及び感染症対応の強化し、飲食店への立ち入り検査回数を年1100件から1600件へ増やす、特別養護老人ホーム整備促進として、設備の市内調達に関わる補助制度を拡充する、土砂体積に関する規制を強化するなど、政策的な取り組みが見られる。

そして、中核市移行を契機に実施する新規拡充事業としては、胃がん検診の助成対象に胃内視鏡検査を追加、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用助成制度の創設、市内医療機関マップの作成など、市民や関係者から好評の事業もいくつか見受けられた。

保健所開設については、松本市と同じように県施設を借用して設置をしている。相談業務が保健センター時は1000件だったものが、保健所が入ってから5000件を超えているため、職員も増員した。 医療安全相談については年間150件だったものが540件の相談と増えている。
このことからも、中核市移行によるきめ細かな対応という効果を実感しているということだった。いかにハードルの低い身近な窓口として整備し、市民周知をすることができるかが、移行後の成果を判断する上で重要である。

今後、新庁舎建設を控えており、鳩ヶ谷庁舎から該当部署が引越しをした際には、改修して保健所が入ることとなっている。

また、松本市でも問題となっている野良猫対策の相談が非常に多いとのこと。臭いと鳴き声の対策で、動物管理施設は規模に比べて整備費が多くかかるようになるという。

保健所設置にあたっては、三師会に対しては説明会と講演会を実施した。また、鳩ヶ谷庁舎移行後には、関係団体を含めて整備することも検討しているという。八戸市でも同様の整備方針が示されており、松本市では旧合同庁舎跡地に医師会館が整備されることとなるが、その連携のあり方や残地の活用についても検証することが求められる。

川口市においては、相談件数増という具体的な数値によって、移行メリットを感じられているようである。「市民に身近となる」という一般的に言われる移行効果を判断できる成果指標を用意し、具体的成果をあげられる整備とすることが必要である。松本市は影響額試算の上では財政負担を伴うこととなるため、その実績額を注視するとともに、二段階設置時のイニシャルコストの扱いや費用縮減を精査していくことが求められる。


  


Posted by 青木たかし at 00:11Comments(0)視察・研修中核市

2018年09月04日

松本市は中核市へ2021年4月に移行。保健所は独自性発揮のため単独で設置し、新庁舎建設に合わせて二段階設置へ。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

今日は台風21号が上陸し、その影響で市内でも一部地域に停電が発生しているようです。

強い風が吹いており、市内での農作物等への被害が心配されます。不要不急な外出はお控えください。




さて、松本市議会では昨日から9月議会が開会しています。

今回は会派の他の議員さんが登壇されるため、私は一般質問には立ちませんので、委員会審議に力を入れたいと思います。

開会初日、市から「中核市へ移行すること」と、課題解決の方向性が示されました。




4日付市民タイムスより

昨日示された主な内容は次のものです。


1,中核市への移行は2021年4月1日
当初目標より1年延期となったものですが、人材確保や保健所設置の課題解決のため、この延期が必要と判断されたものです。

,保健所は単独設置で、まず合同庁舎旧食堂スペースを改修して開設し、2025年の新庁舎建て替えの際に、新庁舎内あるいは別の場所へ、合同庁舎から移転する。
「2段階設置」と呼ばれ、一部実施が困難な業務については、それぞれの段階で県への委託を検討するとしています。

3,連携中枢都市圏の形成は、中核市に移行して、自治体としての体力を備えてから。

4,中核市推進室を設置し、正規職員4名と嘱託職員1名を配置。

5,移行による初期経費が15億7730万円、毎年の経費が1億2230万円となる見込み。



中核市移行の目的について、「市民に最も身近な基礎自治体が、県を介さず国に直接働きかけたり、県の許認可を待たずに地域課題に対応する等、市として主体的な行政運営ができるようになるためには、周辺も含め、自治体の体力がある今のうちに、できる限り早く移行することが重要」と、その意気込みが説明されました。

保健所を単独設置することとも了承されたこととなりますが、これは、保健所を独自で持つことによって、独自の健康福祉施策を展開するためとされています。「新しい形の保健所像」を実現するために、費用をかけてでも単独設置するとされました。
しかし、その独自施策の具体像がなんなのか、これまで議会から何度も質されているものの、その点が未だに示されていません

今回の補正予算では、中核市移行の市民説明をするためのパンフレットが作成されることとなっており、今後市民説明会も開催されることとなっていますが、保健所単独設置、2段階設置も含め、今後市民への十分な説明が求められます。移行に伴う細かなことが今回は議論されなかったため、今後その点の精査もしていきたいと思います。



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Posted by 青木たかし at 18:34Comments(0)中核市

2018年05月11日

中核市移行を断念した小田原市を視察。議会人事では、建設環境委員と、交流部会の副部会長に内定されました。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日、小田原市に会派視察で来ています。ここは今年に入って中核市移行を断念した人口19万人都市であり、なぜ断念したのかについての調査を行いました。

これまで小田原市は、地方分権推進のため、単独での中核市移行を目指していました。

しかし、今後の財政推計をした結果、10億強の財源不足が見込まれ、その有効な解決策のひとつとして、隣の南足柄市との合併を並行して目指していました。

その後、合併協議が中断してしまい、徹底した行財政改革と中核市移行を同時に達成しなければならなくなり、人的コストの観点から、中核市移行を断念するという経緯があったようです。

財政試算では、類似都市の調査・検討を重ねた上で、年間のランニングコストで大きな不足が生じるといったことはないと判断されていたとのこと。そのため、財政負担が移行断念の理由となったわけではないようです。

小田原市では、かつて小田原城を中心とした街の歴史的背景もあってか、地方分権の推進に注力しており、保健所も県との共同設置ではなく、単独での設置とし、それによる独自の保健衛生施策を展開することを検討されていたようです。


今回の調査で、松本市の中核市移行の判断材料と、保健所設置の方式について比較することができたのは大変有意義でした。改めて、この件は詳しくまとめたいと思います。




9日には議会人事の内定が行われました。



昨年まで教育民生委員会の副委員長を務めさせて頂きましたが、今年度、私は建設環境委員に内定されました。ここは建設部、環境部、水道局を所管する委員会で、交通や道路、環境施策、水道事業を担当します。

また、交流部会の副部会長にも内定頂きました。この部会では、高校生の出前授業や市民団体との意見交換会、大学生との意見交換会、地区における議会報告会を担当します。

これまでも高校生出前授業のパワポ作成等を手伝わさせて頂きましたが、より学生と身近に交流できるよう、一層の工夫ができればと思います。任期最後の年となりますので、精一杯役割を果たしたいと思います!

それでは、また明日。

こちらもよろしくお願いします!





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Posted by 青木たかし at 00:52Comments(0)中核市議会報告

2018年02月21日

松本市は中核市を目指す。方針案のパブコメが実施されます。移行目標日の2020年4月1日は延期の可能性も。

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

本日2月議会が開会となりました。

開会にあたって市長の提案説明もあり、

小平奈緒選手に対し市民栄誉賞を送ることとした

・来年度せせらぎの湯にチップボイラーを導入する

・待機児童は1日も早い解消を目指す

・野村総研の提言もあり、松本市でICT人材育成による産業創発にも重点を置く

などといったことを明らかとしました。


その後、当初予算説明もありましたが、詳細は明日から三日間の予定で行われる当初予算説明会で説明され、そこで質疑ができるので、また明日以降お知らせしていきます。


本会議終了後、全員議員協議会が開催され、懸案事項であった中核市への移行に関する方針案が示されました。





注目されていた移行に伴う市の持ち出しである財政負担は、

初期経費:15億9,730万円

経常的経費:毎年1億2,230万円

であると試算されました。


それを踏まえて、今回議会で諮られたのは、次の2点です。


1,松本市は中核市を目指して取り組みを進める

・主体的なまちづくりの推進を図る

・市民のまちづくりにより関与するような保健所を設置し、健康寿命延伸都市として独自の健康福祉政策を展開することで、日本のモデルとなるような保健所の在り方を提示する

・先進的なまちづくりと市民サービスの向上を図る

ことを目的として、中核市移行を目指して取り組みを進める。


2,移行期日を見直す

獣医師や医師などの専門職の人材確保策など、諸課題が山積しており、移行期日目標であった2020年4月1日を見直すことが示されました。




質疑応答では、移行期日について質問をしたところ、

・今年度の検討を経て、課題はあるが移行に対して前向きである

・市長任期中に移行することが基本ではあるが、課題のクリアに時間がかかれば、延期となる

・移行期日も含め、改めて全員議員協議会で諮る

とされました。今回議会としては了承として集約されましたが、この他、国からの交付税措置や財政見通しが報告書通りとなるのか、専門職確保策はどうするのか、保健所は県との共同設置とするのか、それとも市の独自策を示すために単独設置とするのかといった点が不確定要素として残っているため、移行期日決定を諮る協議会の際には、その点についてしっかりお聞きし、慎重な政策決定を求めていきたいと考えています。

また、今回パブコメを実施することとなっています。報告書も添付されるそうなので、この機会に市にご意見をお寄せ下さい。

それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 20:42Comments(0)中核市議会報告

2017年08月03日

保健所は松本市単独での設置を検討中。コストが大幅にかかるが、そのメリットは?

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。



松本市では、次期市長選の一ヶ月後となる2020年4月に中核市に移行することを目指しています

中核市の詳細についてはこちらの記事を御覧ください。




中核市に移行した場合、県からの事務手続きや財源の移譲に加え、保健所を市で設置する必要があります。

保健所は、


(1)県と市が共同で設置し、業務を実施する
(2)県から委託を受けて、業務を実施する
(3)市単独で設置する



の3つの選択肢があります。

保健所は建設費用がかかる上、医師や獣医師、薬剤師などの専門職を雇用し、育成し、業務管理をすることも必要で、そのために費用も職員も必要となってきます。

松本市は合同庁舎に県の保健所を有することから、この既設の保健所を活かして(1)か(2)の方法を取ることで、これらのコスト・人材面の課題をクリアするものと思っていました。

その後、松本市役所では中核市移行に伴う保健所のあり方を検討する第1回目の有識者会議が開かれたようで、そこで(3)市で単独設置をする方向性で検討をしていくという方針が明らかとなりました。


7月31日付市民タイムスより

そのメリットを、健康寿命延伸都市の更なる推進のため、市独自の健康関連施策が実施できることが挙げられたと報じられています。


この記事でも触れられていますが、埼玉県越谷市は2015年4月1日に中核市へ移行した都市で、保健所を単独で設置した事例であったため、今回その実態やメリットを調査するべく視察をしました。


埼玉県越谷市保健所



まず、越谷市は平成21年まで松本市のように保健所を有していましたが、県による再編で廃止されていたようで、これが市の単独設置を決めた理由のひとつとなったとされました。そして、設置場所については、市役所は古く、手狭で、耐震性能にも課題があったことから、別の場所に新設するということにもなったそうです。

保健所の建設費用は20億円かかったとのことでした。この建設費は、県や国の補助を使えないようです。敷地面積は5,923.46㎡の3階建て。


また、越谷市では保険業務をやったことはなく、その職員をどう確保するか、また研修をどうするかという課題があったため、4年間かけてこれらの対策を計画的に進めたといいます。

中でも、人材確保は困難だったようで、特に医師を確保することや、研修を行って職員を育成することについては業務量が大きく増加したといいます。

越谷市は34万人の人口ですが、今回新設した保健所は現在職員数61人。中には県からの派遣職員も含まれますが、これでもまだ体感としては人員が不足しているといいます。

また、平成26年度は20人の職員研修を行い、人材育成を行ったとのこと。人件費は、年間でおよそ5億3千万かかっているそうです。



そして、保健所で行う食品、食中毒、感染症等の検査は、高価な検査機が必要であることも多く、頻度が少ないものについて等は、県の保健所に検査を委託することもできます。

越谷市の方針としては、食中毒などの緊急性の高いものは自前で実施し、使う頻度が低かったり、コストがかかるものについては、職員の熟練度も高く、高価な検査機がある県の保健所に委託をするということにしているようです。


更に、保健所を設置するということは動物の保護、管理も管轄することとなります。

ここ2年間で、地域のNPO団体の協力により、越谷市保健所では殺処分数0としているとのこと。


市が保健所を単独設置し、運営するメリットについては、専門職が居ることで、専門的立場の職員がそれぞれの施策に関わり、市民の健康危機にすぐ対応でき、市民に寄り添ったサービスが可能となることがわかりました。

たとえば、自殺対策、生活保護と精神保健との連携が可能となるなどが挙げられ、越谷市では今後、そういった市独自の取り組みも検討しているとのこと。

県の判断を待たずに、産業廃棄物指導、健康づくり、動物保護など市独自に施策を展開できるということは、たしかに魅力的であると思いますが、誰もが明確にそのメリットを納得できるかというと、十分な研究と説明が必要であると感じています。



さて、今回の調査を経て、松本市において市単独で保健所設置を考える場合、次の課題を今後調査・研究する必要がありそうです。


1,専門職である人材の確保・育成・業務管理をどうするか

2,建設費用・建設地をどうするか、市の独自施策はどんなものを想定するのか

3,合同庁舎に設置されている県の松本保健所との関係性をどうするか、二重行政にならないか



これらの課題をもとに、市単独設置のメリット・必要性を明確にできるかが問題となりますが、まだ議会でこの単独設置の話ははかられていないため、改めてこの点については委員会の場で議論をしていきたいと思います。




ちなみに、越谷市の中核市移行にあたってのメリットは、


1,市民生活の質の向上
・福祉施設や産業廃棄物処理業者に対して監査や指導ができるようになる。

2,市民の利便性の向上
・身体障害者手帳の交付期間の短縮
・母子父子寡婦福祉資金の貸付等の対応が速やかに
・精神保健相談が身近になる

3,危機管理への対応
・新型インフルエンザ発生時に、県の判断を待たずに迅速な対応ができる
・大規模災害、複合災害の発生時に高度救助隊による救出行動が可能となる


が挙げられていました。

中核市移行については、より市民に寄り添った行政サービスが可能となることはわかりましたが、県から権限が移譲されることで、業務が増加することで職員数が必要となり、これまで県の財政負担分だったものが市の負担となることも想定されます。

県との連携も必要となりますが、市も慎重に検討するとされており、松本市民にとって最善の形となるように、今後も研究していきます。

それでは、また明日。



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Posted by 青木たかし at 21:46Comments(0)視察・研修中核市

2017年05月22日

松本市が目指している中核市とは?メリットは?

こんばんは、最年少松本市議会議員の青木たかしです。

昨年から、「松本市は平成32年に中核市を目指している」と各種メディアで取り上げられるようになりました。

中核市とはどんなもので、また、そのメリットは何なのか?

本日、政策部や総務部、危機管理部、文化スポーツ部、財政部を所管する総務委員会の場でその説明がありました。

毎年5月に、市役所の各部署がどんな取り組みをしているのか、概要の説明を受けることになっています。



1,中核市とは?

人口20万人以上の都市が中核市になれるのですが、松本市は24万人なので、要件を満たしています。

人口が50万人以上だと「政令指定都市」になることができますが、それに次ぐ規模の都市として、都道府県の事務を一部扱うことができます。

「中核市」の次の規模として「特例市」があり、松本市はそれに指定されていましたが、一昨年この特例市制度が廃止されて、今は特に指定のない「一般市」となっています。

ただ、特例市制度が廃止される前に特例市だった都市は、「施行時特例市」と呼ばれ、これまでの事務権限は保持することになっています。

全国に現時点で中核市は48市。

八王子市、金沢市、高崎市、富山市、姫路市、横須賀市などが中核市で、県内では長野市がこの中核市に該当しています。


2,中核市になるメリットは?

先程も触れましたが、中核市に指定されることで変わるのは、県が取り扱う事務の一部を市で担えるようになることです。

具体的には、


・身体障害者手帳の交付

・教員の研修

・産業廃棄物施設の設置許可

・屋外広告の設置制限

・薬局の開設許可

・飲食店営業等の許可


などがあります。

新しく取り扱えるようになる県の事務のうち、民生、保健衛生、環境の分野が91%でほとんどを占めていますが、これらを市が扱えるようになると、より市民に密着した行政サービスが可能になります。

例えば、身体障害者手帳の交付ができるようになると、これまで申請から交付まで2ヶ月かかっていたものが1ヶ月でできるようになったり、市内の産廃業者に対して、市が直接指導できるようにもなります。

さらに、中核市になると「連携中枢都市圏」というものを形成することができるようになります。

松本地域だと、3市5村(松本市、安曇野市、塩尻市、山形村、朝日村、生坂村、麻績村、筑北村)で構成することができ、観光戦略・創業促進・広域公共交通網・医療サービス等を広域的に取組むことができます。

中核市である長野市は、近隣自治体とこの連携中枢都市を構築しています。

全体を通して、中核市への移行には、中央集権から地方分権へ進めていくというテーマがあります。


3,中核市になるための課題は?

最大の課題は「保健所の設置」です。

専門の人材を確保・育成し、施設を整備することが必要ですが、合同庁舎に県がすでに設置している保健所があり、そこを活用するなどの策もあり、どんな方法が良いか今後検討しなければいけません。

また、事務が増えることから、人件費や事務経費が増すことになりますが、あわせて国からの交付税も増加することとなります。

しかし、その増加分の財源を上回る負担が生じる可能性もあるため、その見込みをたてることも必要です。




松本市は「中核市」への移行を目指すか、今のまま「施行時特例市」と呼ばれる「一般市」にとどまるかの選択をしなければいけません。

なかなかメリットがわかりにくいものの、松本市としてより市民に身近なサービスができること、周辺市村とともに広域的・戦略的に課題に取組むことができることから、中核市移行に向けて、今後政務調査を進めていきたいと考えています。

市長は「平成32年度までの移行を目指していく」と表明していますが、上記のような費用負担増の課題もあることから、今後ホームページに詳細を公表し、市民意見を募りながら慎重に進めていくとしていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。

それでは今日はこの辺りで。



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Posted by 青木たかし at 20:29Comments(0)中核市